梅が見頃、野菜は値下がり 暖冬で「春先取り」の九州

西日本新聞 社会面 吉田 真紀

 20日は、一年で最も寒い時期とされる二十四節気の「大寒」だったが、九州は、春を先取りしたような暖かさが続いている。記録的な暖冬の影響で、春の花々は早くも開花し、生育の良い野菜が軒並み値下がりする一方、寒さ頼みの冬物商戦は苦戦。自然界や市民生活に異変が起きている。

 福岡管区気象台によると、大陸から南下する冷たい空気と、南からの暖かい空気が拮抗(きっこう)する境目が平年より北側に位置し、九州に寒気が入り込みにくい状態が続いている。20日の最高気温は大分県豊後大野市14・1度、長崎県五島市12・7度、福岡県久留米市11・6度など、2月中旬から3月上旬並みとなる観測地点も多かった。

 福岡県宗像市の鎮国寺では、淡い桃色の花びらが特徴の梅20本が早くも見頃に。寺によると、開花は昨年末で例年より遅かったものの、「年明けの暖かさでみるみる開花し、例年より2週間ほど早く七、八分咲きになった」。月末には満開を迎えそうという。同県筑紫野市の天拝山歴史自然公園では、例年2月中旬に花を付ける山野草のセリバオウレンが、あと1週間もすれば咲きそうという。

 動物も暖冬を感じているようだ。福岡県の動物園では、サルが集まって暖をとる“サル団子”が「例年より小さい気がします」と職員。九州の話ではないが東北では、冬眠に入れなかったとみられるクマの目撃情報も相次いでいるという。

 大変なのがスキー場だ。宮崎県五ケ瀬町にある国内最南端の「五ケ瀬ハイランドスキー場」は「雪不足」で、全長1キロのコースのうち雪を入れたのは500メートルほど。担当者によると、水を霧状にし、外気温で冷やして雪を作る降雪機が「暖冬で使えないため」。かき氷状の人工雪をエアで飛ばして対応するが、今季来場者(20日時点)は約9800人と昨季の同期より千人から2千人少ないという。

 一方、食卓には恵みの冬が訪れている。福岡市中央卸売市場の青果卸売会社「福岡大同青果」(同市東区)によると、野菜の生育が良く供給量が需要を超過。1月の平均卸値は前年同期比でブロッコリー62%、タマネギ65%など、野菜全体の値が下がっている。

 気象台によると、九州北部は月末まで平年より暖かい日が続くが、向こう1週間は雨の日が多い見込み。 (吉田真紀)

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