「地獄の新たな見所に」 雲仙温泉“移動"に期待も

西日本新聞 長崎・佐世保版 真弓 一夫

 雲仙温泉街(長崎県雲仙市)の中心部にある観光名所「雲仙地獄」の活動エリアが広がり隣接する公営駐車場が閉鎖されたことを巡り、地元では当初、観光に痛手だとの声も聞かれた。だがその後、これを活用して火山地帯特有の自然の変化を間近に感じられる新たな観光資源にすべきだとの機運が高まってきている。

 公営駐車場(20台、約450平方メートル)は環境省が管理する国有地にあり、自然公園財団雲仙支部が運営。一帯は国立公園に指定され、噴気を上げる地獄にも隣接する好立地で、2018年度は温泉街で最も利用数が多い2万6800台が利用した。昨年10月末の閉鎖を受け、地元の一部に「観光客の利便性が低下する」と不安視する声があった。

 一方、駐車場利用者が地獄見物だけにとどまるケースも多く、客足が温泉街全体に広がっていないとの指摘が以前からあった。閉鎖を機に、緑豊かな遊歩道や風情ある路地の散策など観光客の回遊につなげ「雲仙温泉街を深く味わう観光の追い風にしたい」(宿泊業者)と前向きにとらえる関係者も増えている。

 同省雲仙自然保護官事務所の服部恭也レンジャーは「地獄の噴出エリアの移動は火山地帯ならではの自然現象」と話し、駐車場のアスファルトなどを撤去して新しい地獄として公開する方向で検討している。

 雲仙市は、地元温泉街の観光活性化計画を策定しており、環境省も国立公園上質化計画で景観を損なう施設の撤去など再生事業を進めている。駐車場まで広がった地獄について、雲仙温泉観光協会の荒木正和事務局長は「(国や市の)活性化施策に取り込み、新しい見所として活用してほしい」と期待を寄せる。(真弓一夫)

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