新型肺炎に九州恐々 中国人客続々、春節連休スタート

西日本新聞 一面 上野 洋光 向井 大豪 坪井 映里香 小林 稔子 岩谷 瞬 布谷 真基

 中国湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルスの感染が拡大する中、24日からの春節(旧正月)連休に合わせて多くの中国人客が訪れる九州の空港や観光地では、感染拡大防止へ警戒ムードが高まっている。

出張者「心配」マスク完売

 「直前まで行くか悩んだ。仕事だからしょうがないが心配」。23日、福岡空港国際線ターミナル。福岡市の男性会社員(50)はマスク姿で北京行きの搭乗口に向かった。マスクとうがい薬を持参し、北京に3日間滞在するが不安は隠せない。出発口近くの薬局では連日、約200セットのマスクが午前中には中国人客を中心に完売するという。

 中国江蘇省に駐在する会社員の岩崎浩二さん(44)は春節で一時帰国。約10日後に戻る予定といい、「そのころには収まっていればいいけど」と漏らす。

 一方、福岡を5日間旅行した香港の新聞社勤務の李以莊さん(36)は「過去に重症急性呼吸器症候群(SARS)も対応しており、マスクと手洗いの徹底など、今回もどう対処すればいいか分かっている」と落ち着いた様子。

 博多港や福岡、北九州両空港で検疫を実施する厚生労働省福岡検疫所は、せきや発熱症状がある場合の自己申告を呼び掛けるポスターを各所に掲示。体表面の温度が分かるサーモグラフィーを通して、入国者の発熱の有無もチェックする。福岡市もクルーズセンターなど旅客施設内に、手指用の消毒液を増やした。

「感染怖い」「来ないと困る」

 多くの中国人客が訪れる太宰府天満宮(福岡県太宰府市)近くの大型免税店は、全従業員がマスク姿。中国人の常家碩店長(33)は「従業員やその家族の健康を守るためには必要。一人でもかかれば全員に影響し、店の経営にも響く」。「私にも2歳の子どもがいるので、うつると大変。早く収束してほしい」と語った。

 「戦々恐々としている」と話すのは太宰府観光協会の不老安正会長(75)。経営する店舗は名物の梅ケ枝餅を求める中国人客らの行列もできる。「どこの国からの観光客なのかも区別が付けられない。国は徹底的な水際対策を」と訴える。

 長崎市では、中国人客ら約100万人の人出でにぎわう長崎ランタンフェスティバルが24日に始まる。会場の一つ、長崎新地中華街にある雑貨店のパート女性(61)は「観光客が減る心配はしていないが、人が行き交うことによる感染が怖い」と心配そうに話す。

 一方、温泉地の大分県別府市や由布市では影響を懸念する声は少ない。日韓関係悪化で韓国人客が激減する中、「中国人客まで来なくなるのは困る」(由布市の旅館経営者)との切実な思いからだ。別府市旅館ホテル組合連合会の堀精治専務理事は「水際対策さえしっかりしていれば大丈夫と聞く。春節の時期は書き入れ時だ」。由布院温泉観光協会事務局も「過度に心配する必要はない」と語った。県は、旅館やホテルからの相談に応じる24時間体制の専用窓口を設けた。(上野洋光、岩谷瞬、小林稔子、坪井映里香)

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