郵政「不正」発言取り消し 社長あいさつ、社内文書で表現変更

西日本新聞 社会面 宮崎 拓朗 飯田 崇雄

 日本郵政の増田寛也社長が6日の年頭あいさつで「いわゆるかんぽ生命の不正問題」と発言したことについて、同社が全社員に向けた内部文書の中でこの発言を訂正していたことが分かった。訂正後は「かんぽ商品の募集に係る問題」と表現が変わっていた。かんぽ生命保険の不正販売問題では、顧客が不利益になった疑いがある契約が18万3千件に上っており、識者は「不正問題に対する認識が甘いと言わざるを得ない」と批判している。

 問題のあいさつは、増田氏が社長に就任した6日に行われ、幹部約200人が出席。増田氏は不正販売問題について「グループ全社にとって創立以来、最大の危機だ。一刻も早く全容を解明する」と述べていた。

 訂正されたのは、日本郵政グループの全社員が閲覧できる内部文書。6日に社内のイントラネットに公開された際は発言通りだったが、2日後の8日に日本郵政広報部が文書で訂正を通知し、表現を変更した。

 同社広報部によると、日本郵便のイントラネットには増田氏に加え、日本郵便の衣川和秀社長のあいさつ文も掲載。衣川氏は「かんぽ商品の募集に係る問題」としていたため「統一すべきだ」との意見があり、表現をそろえたという。増田氏には秘書室を通じて発言内容の変更が伝えられ、特に異論はなかったという。

 西日本新聞の取材に、広報部は「(外部弁護士の)特別調査委員会が報告書で用いた表現などを踏まえた。表現を変えたからといって、不正ではないとは全く思っていない」としている。(飯田崇雄、宮崎拓朗)

「立て直し期待しぼんだ」

 熊本学園大の坂本正シニア客員教授(金融制度論)の話 増田寛也新社長はグループ立て直しへの決意を語っていたが、期待はしぼんでしまった。法令違反が多数判明しており「刑事事件にならないのはおかしい」というのが庶民の感覚だ。単なる言葉遣いの問題ではない。もし経営トップに不正との認識がなければ、顧客の不利益回復や社員の意識改革に本腰で取り組めるはずがない。

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