メディアの今をさらけ出す 記録映画「さよならテレビ」2月から九州で

西日本新聞 吉田 昭一郎

 東海テレビ(名古屋市)が自社の報道・制作現場を撮影し、多メディア化などで苦境に立つとされるテレビの今を描き出したドキュメンタリー映画「さよならテレビ」が2月から、九州各地で公開される。

 「ヤクザと憲法」などを手がけた阿武野勝彦プロデューサー、土方宏史監督のコンビで製作。語りのあり方に悩むキャスター、スポンサー絡みの「ゼヒねた」担当という契約社員の記者、経験が浅い派遣社員の記者の3人を追い、視聴率を上げる番組作りに明け暮れる現場のありようを浮き彫りにする。

 キャスターは2011年、「セシウムさん」という不適切テロップを誤って出してしまい社会の批判を集めた番組をたまたま担当していて、バッシングを浴びた人物だ。その語りは慎重で手堅いが、周囲は物足りない。人を傷つけない配慮か、リスク含みでも個性を発揮するのか、悩みは尽きない。

 元地元経済紙記者という契約社員の記者は、共謀罪の趣旨を含んだテロ等準備罪関連の取材の機会を得て生き生きする。本心を引き出そうと迫る取材陣に、その記者は次第に語りだすようになる。「記者が単なる会社員になっていないか」「権力監視は十分か、弱者の助けになっているか」と居酒屋などで繰り出す批判は、メディアの今をそのまま照射しているように聞こえる。

 派遣社員の記者は、ミスを重ねて叱られ、次第に失職の不安が募っていく。視聴率の目標を示して奮起を促したり、働き方改革で難題を投げたりする管理職の姿は必ずしもかっこよいばかりではない。

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