ハンセン病に偏見?難民患者の治療ピンチ、アフガン山岳地帯

西日本新聞 社会面

 福岡県大牟田市の中村哲医師(49)が、アフガニスタン難民らを対象にパキスタン・ペシャワルで続けてきたハンセン病の無料診療活動が存続の危機に直面している。ハンセン病に対する偏見の広がりから、病院の家主組合が退去を勧告したためで、早急に新病院を建てなければパキスタン、アフガニスタン国境の山岳地帯で苦しむ2万人以上の患者が治療を受けられなくなる。中村医師を支える「ペシャワール会」(福岡市)は、新しい病院建設のための募金に着手した。

 現在の病院「PLS」(ペシャワル・レプロシー・サービス、40床)は1994年、ハンセン病の治療を目的に中村医師が設立。86年発足の日本アフガン医療サービス(JAMS)と両輪で、無医地区の診療を一手に担ってきた。

 中村医師らスタッフは、国境の山岳地帯を訪ね歩いてハンセン病患者を捜し出し、治療を施している。現在までに7千人の患者が見つかったが、イスラム教の習慣で医師にも肌を見せない女性が多く、同地区の患者数は2万人を超すと中村医師らは推定する。

 医師、看護婦らスタッフ40人を擁するPLSの活動は順調に進んでいたが、一方でハンセン病患者への偏見が広がり、このほど病院の家主たちが立ち退きを要求、2年以内の退去が決まった。

 新病院「ハンセン病治療センター」の建設地はパキスタン北西辺境州政府が提供することになったが、れんが造り2階建ての病棟(60床)を建てるのに約5千万円が必要。期限の98年春に開院するには今年秋までの着工が必要で、募金は緊急を要するという。

 募金の送り先は郵便振替=01730―9―32421、ペシャワール会ハンセン病院建設基金。問い合わせは同会=092(731)2372=へ。

 ▼ペシャワール会 中村医師の活動に賛同して1983年に発足した非政府組織(NGO)。JAMSとPLSの必要経費(年間約9千万円)の大半を支えている。中村医師のパキスタンでの診療はボランティア。同医師は93年度西日本文化賞を受賞している。
 

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