アフガンでマラリア大流行、2万人分薬がない、中村医師

西日本新聞 社会面

 アフガニスタンで悪性のマラリアが大流行し、現地で難民などへの医療援助を続けている福岡県大牟田市三池、医師中村哲さん(47)の活動が医薬品不足のためにピンチに立っている。この活動が認められて3日に第52回西日本文化賞を受賞した中村医師は、その賞金(百万円)も薬品代に充て急場をしのいだが、なお3百万円が不足しているという。中村医師の支援組織「ペシャワール会」は「あと2万人の治療が必要」と市民に緊急募金を呼び掛けている。

 マラリアは蚊が媒介する伝染病。中村医師が顧問を務める非政府組織(NGO)「日本―アフガン医療サービス(JAMS)」(事務局・福岡市)によると、帰還難民が耕作した水田で蚊が大量発生したとみられ、パキスタンとの国境近くにあるダラエ・ヌール渓谷を中心に8月から爆発的に流行しているという。

 中村医師が特別チームを組み、約1週間にわたって巡回診療を実施した結果、同地域の住民15万人の2割近くがマラリアにかかり、うち約9割が死亡率の高い熱帯性マラリアらしいことが分かった。

 治療にはクロロキン、キニーネ、ハロファントリンなどの薬が必要だが、同会が緊急に手配した薬で対応できるのは2千人分。少なくとも、あと2万人は治療が必要とされ「このままでは数千人が死亡する恐れがある」(JAMS)としている。

 ペシャワール会は「アフガニスタンの内戦が終わり、難民が故郷に戻り始めている時期に、マラリアの流行は、国内の安定、難民帰還の動きに水を差すことになる」と支援を訴えている。

 同会への問い合わせは=092(731)2372。募金の送り先は郵便振替で=福岡9―6559=まで。

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