貢献論に複雑… 中村哲医師ら九州の民間協力経験者、PKO法案参院通過

西日本新聞

 「PKO関連法案」が9日未明、参院を通過した。論議の場はいよいよ衆院に移るが、民間の立場で既に長い間国際協力を果たしてきた九州の人たちは、この法案をどのような思いで受け止めているのかを聞いた。

 アフガニスタンで、医療活動を続けているペシャワール会の中村哲医師(45)=福岡県大牟田市=は「仮にアフガニスタンに自衛隊が来れば、混乱を招くだけ。地雷撤去の方法も現地の人が一番よく知っている。諸外国から踏みにじられたアフガニスタンは、たとえ国連軍であっても、そっとしておいてほしい、という気持ちだ」と現地の実情を明かす。

 2年間ケニア・ナイロビ市の孤児院で教育奉仕を行った小学校教諭で市民グループ「アフリカ教育基金の会」幹事、山根玲子さん(31)=北九州市八幡西区=は「食糧援助や学校の建設、教師の派遣など教育面で支援できることはたくさんある」とPKO法案に反対する。青年海外協力隊員として2年間ネパールで電話施設の仕事をした緒方幸一さん(27)=同県飯塚市=も「非戦闘行為への人的派遣、医療部門などに貢献の方法があるはず」と強調。

 また中国に8年間農業指導を行っている鹿毛正則さん(73)=同県久留米市=のように「中国の人たちは依然日本の軍事大国化に警戒感が強い」と、自衛隊が海外に出た場合のアジア諸国の国民感情を憂慮する声もあった。

 一方で、体操競技指導員として2年間ペルーにいた政野和夫さん(29)=山口県・豊浦町=は「反対派が訴える”憲法違反”とか”軍国化”には説得力がない。日本が自衛隊を出すことに違和感はないと思う」と指摘した。マレーシアで2年間溶接の指導をした弓場秋信さん(44)=鹿児島市=も「経済援助だけでは限界がある。きれいごとだけでは何もできない。地雷の処理、難民の輸送などにはやはりプロが行くべきではないか」と、自衛隊の派遣も必要と話していた。

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