中村哲医師に診療車贈ろう パキスタンで奮闘中 へき地での足確保を 支援団体が募金呼びかけ

西日本新聞 夕刊

<この記事は1985年5月21日付夕刊に掲載されたものです>

 「中村先生にへきち移動診療の足確保を」――パキスタン北西部のペシャワールで医療奉仕活動中の中村哲医師(37)=福岡県粕屋郡古賀町出身=が、今秋から念願のへき地の移動診療に取り組むことになったため、中村医師を支援する「ペシャワール会」(事務局・福岡市中央区大名1丁目)は、中村医師に贈る巡回診療車の購入資金の募金を呼び掛けている。中村医師救援のため、かつての山仲間で今夏パキスタンに遠征する福岡登高会(新貝勲会長)も医薬品集めに取り組んでおり、日パ親善の輪が広がろうとしている。

 ペシャワール会は、中村医師を派遣した日本キリスト教海外医療協力会を中心に、同医師の恩師、級友、市民有志など約1200人が、パキスタンのペシャワールに赴任する同医師を励ますため、昨年5月に結成した同医師支援組織。現在は約1850人。年明けに家族ぐるみで再赴任した中村医師の相次ぐ手紙で、今年9月ごろからへき地の移動診療に入りたい意向を知り、物資不足の現地の医療事情を察して巡回診療車を贈ろうということになった。

 中村医師によれば、ペシャワール周辺は山岳地域で無医地区が多く、栄養障害、結核、ハンセン病などの患者が多いという。このため、中村医師は10年計画でハンセン病患者の救済を決意。患者のとくに多いへき地の移動診療で患者の早期発見と衛生教育を行う計画を立てている。

 巡回診療車はジープを予定しており、募金目標額は日本からの輸送料なども含めて500万円。同会は、中村医師が移動診療開始の準備打ち合わせに帰国する8月末にはメドをつけたい意向だ。

 同会事務局の世話人・志満秀武さん(42)は「アジアで最も苦しんでいる人々のため、ともに生きて医療活動に取り組む中村医師のためにも幅広い市民のご協力を」と呼び掛けている。応募の申し込み・連絡先は〒810福岡市中央区大名1丁目12-8、福岡YMCA内、ペシャワール会事務局=092(781)7410。

1985年5月21日付夕刊の記事

 

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