筑豊から「吹コン」上位狙う 真剣勝負の「新人戦」

西日本新聞 筑豊版 丸田 みずほ

 「冬場に筑豊独自で開催している吹奏楽コンクールがあります」。ある中学の吹奏楽部顧問からこんな話を聞いた。全国規模で地区予選から始まる「吹奏楽コンクール(吹コン)」は毎年7月に開かれるが、筑豊地区では中学1、2年生部員のレベルアップを図るため、有志による実行委員会が自主開催しているコンクールがあるという。県内でも珍しい取り組みを探った。

 25日、会場となる直方市のユメニティのおがたは、緊張感に包まれていた。集まったのは筑豊吹奏楽連盟に加盟する中学12校の吹奏楽部。観客が見守る中、各校は吹コンの規定と同様、マーチ(行進曲)と自由曲を演奏した。

 「筑豊新人吹奏楽コンクール(新人コン)」と称して昨年から開催し、2回目。3年生が引退し、新体制となって初めて全員参加するコンクールとなる。「運動部でいう新人戦です」。開催を呼びかけた穂波西中吹奏楽部の顧問、平山貴博さんはこう語る。

 夏の吹コンは吹奏楽連盟などが主催するが、新人コンは中学の吹奏楽顧問でつくる実行委が企画、運営する。審査員は筑豊地区などの高校吹奏楽部の顧問が務め、吹コンと同じように、全ての学校が金、銀、銅賞で評価される。

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 開催のきっかけは、ここ数年、筑豊地区の中学吹奏楽部が、吹コンで上位大会に出場できないことだった。福岡都市圏の強豪校もそろう県大会を勝ち抜くには、レベルアップが必要。「イベントでの演奏会も大切だが、賞があるかないかで練習への熱量が変わってくる」と平山さん。コンクールの少ない冬にも目標を設定すれば成長につながると考えたという。

 福岡市では以前から新人コンがあり、実行委はそれを参考にしながら、部員数の少ない学校が多い「筑豊仕様」にした。管弦楽器以外は部員でない補助奏者が認められ、2曲演奏するのが難しい少人数校の部門「オープン参加」では1曲のみの演奏で参加できる。

 コンクール終了後、審査員と顧問が集まり、活発な意見交換を行う。他校の練習法を聞いたり、実際に練習を見に行く約束をしたりでき、指導者同士の勉強にもつながっているという。

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 25日のコンクールでは飯塚市の庄内中が最優秀賞。同校の部長、中山莉子さん(14)は「自信がついた。夏に向け、一秒一秒を無駄にしないよう頑張りたい」と泣いて喜んだ。

 昨年は、新人コンで銀賞だった学校が、その悔しさをバネに夏のコンクールでは金賞を受賞。逆に、新人コンでは金賞でも、夏に銀や銅賞となる可能性もある。モチベーションを保ち、成長の足跡を残すことも期待される。

 以前、福岡市の新人コンに携わっていた飯塚高吹奏楽部顧問の畑中洋介さんは「2回目となり、コンクールだという意識をより強く持って取り組んだ学校が増えた印象」と手応えを語った。

 今回は筑豊吹奏楽連盟に加盟する35校のうち約3分の1が参加。今後、参加校が増えれば、他地区からも注目されるコンクールになるはずだ。

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 大会結果は次の通り。

 金賞=筑穂、庄内▽銀賞=稲築、芦屋、二瀬、穂波西、飯塚第一、直方第二、水巻南、岡垣、中間南、中間東 (丸田みずほ)

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