西スポ賞 今年の活躍に期待膨らむ

西日本新聞 オピニオン面

 スポーツには多くの感動がある。明日への活力をもらう人もいるだろう。時には「多様性」や「共生」といった社会が目指すべき方向も示唆してくれる。

 そんなスポーツの力を確認させられる快進撃だった。昨年のラグビーワールドカップの日本代表チームである。このチームを含む2団体と2個人にきょう、第65回西日本スポーツ賞が贈られる。功績をたたえたい。

 「ONE TEAM(ワンチーム)」。今や誰もが知るスローガンだろう。代表メンバーのほぼ半数が海外の出身・国籍という混成チームが、この合言葉で初の8強進出を勝ち取った。多様性が強さの原動力になるという大きなメッセージを社会にもたらしたことで、時代を先取りした存在感も示した。

 九州ゆかりの福岡堅樹選手(27)、流大(ながれゆたか)選手(27)らも輝きを放った。誇らしいことだ。福岡選手は東京五輪の7人制ラグビーへの出場を目指すといい、期待は膨らむばかりだ。

 柔道女子の素根輝(そねあきら)選手(19)=環太平洋大=は昨年の世界選手権78キロ超級で金メダルを獲得し、初受賞となった。グランドスラム大阪大会も制し、五輪の柔道代表の第1号に選ばれたのは見事と言うほかない。

 南筑高(福岡県久留米市)時代から、金鷲旗大会史上初の決勝での5人抜きを果たし2連覇に貢献するなど、将来を嘱望されてきた逸材だ。全日本選抜体重別選手権でも2017年から3連覇を果たした。期待にたがわぬ成長と活躍が頼もしい。

 福岡第一高(福岡市南区)の男子バスケットボール部は3年ぶり3回目の受賞だ。昨年の全国総体など2冠に輝いた。全国選手権(ウインターカップ)は史上初の福岡県勢同士の決勝となり、接戦を演じた福岡大大濠高と健闘をたたえ合う姿は多くのファンの心を打った。全国から目標とされるチームとして、さらなる躍進を願いたい。

 プロフェッショナル関係では、プロ野球の福岡ソフトバンクホークスを球団初の3年連続日本一に導いた工藤公康監督(56)が初受賞した。

 レギュラーシーズンでは2年続けて優勝を逃したものの、その鬱憤(うっぷん)を晴らすかのようにポストシーズンは土俵際から一転、10連勝で頂点に駆け上がった。随所に見られた大胆な策が勝利を引き寄せ、ファンをうならせた。球史に残る強さだった。今季はぜひともシーズン優勝を果たし、V4を達成してほしい。

 東京五輪まで半年を切った。素根選手をはじめ、郷土のアスリートがベストを尽くし、悔いのない競技ができるよう祈りたい。その姿にまた、私たちもパワーをもらうことだろう。

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