大分県政の将来像どう描く 県、1月末まで意見を募集

西日本新聞 大分・日田玖珠版 岩谷 瞬

 大分県政運営の指針である「県長期総合計画」、「まち・ひと・しごと創生県総合戦略」がいずれも今年、改訂される。2015年度の策定から県政は計画通りに進んできたのか。24年度までの今後5年間、どのような将来像を描くのか-。県が示す素案を基に考えてみた。

 人口減対策 

 県の最重要課題は人口減。県の推計では人口が113万3310人(19年12月現在)から2100年には45万8千人まで減少する見通し。少子化に加え、若者らの転出に歯止めがきかない状況が続く。

 転入から転出を差し引いた「社会減」は、計画策定前の14年(13年10月~14年9月)は2538人。18年(17年10月~18年9月)は2693人と悪化しており、県は今改訂で「社会減ゼロ」の達成目標年を20年から25年に遅らせた。

 対策として力を入れるのが移住だ。県は4月、若者の主な転出先である福岡市中心部にUIJターンに特化した交流拠点を開設する。会員制交流サイト(SNS)なども活用し、18年度1534人だった移住者数を24年度には2700人まで引き上げることを目標にする。

 子育て支援では、出生数を8393人(18年)から25年には9千人程度、合計特殊出生率を1・59(同)から25年に1・83、30年に2・00まで引き上げる計画。県が18年に設置した「出会いサポートセンター」による結婚の後押しをはじめ、不妊治療費の助成や子育て環境の充実に加え、男性の育児参画を進め女性が働きやすい環境も整える。

 農林水産業 

 17年の農林水産業全体の創出額は2214億円。九州豪雨の影響もあり、目標の2299億円に届かなかった。そのうち農業の産出額は1273億円で、九州7県で最低だった。

 大分は九州内でも稲作の割合が高い一方、大規模農家は少なく、中山間地での兼業農家が多い。県は「稼ぐ農業」をスローガンに、稲作から単価の高い野菜や果物など園芸作物への転換を図る。ドローンやAIなど最先端技術を活用した「スマート化」も進める。

 担い手不足も深刻。18年度の農林水産業への新規就業者は424人で目標値(405人)を超えた一方、農業法人数は918で目標の974を大幅に下回った。県は24年度の目標を新規就業者479人、法人数1400に設定。昨年4月に竹田市に開校した5年ぶりの農業高校「久住高原農業高」などを通じた若者の人材確保を重要視している。

 工業・観光 

 工業は好調だ。県内の18年度の企業誘致件数は59件で、統計を取り始めた1979年度以降最多。半導体や自動車関連がけん引し、既存企業の増設が多い。企業誘致は景気に左右される面が大きいため、県は24年度の目標を45件とし、安定的に製造品出荷額を増やしていく考えだ。

 一方、好調だった観光は日韓関係の悪化で一転。18年度の県内宿泊客数は777万4千人、うち外国人客が144万2千人でいずれも目標値を大幅に上回ったが、昨年8月以降に韓国人客が激減。月1万人を割り込み、回復の兆しはない。

 県は24年度の県内宿泊約数を783万人、うち外国人客を187万人に設定する。中国や台湾のほか、ラグビーワールドカップを契機に欧米からの誘致を進める。“脱韓国依存”で、政治事情などに左右されない観光地化を目指す。

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 「県長期総合計画」、「まち・ひと・しごと創生県総合戦略」は県のホームページなどで閲覧できる。県はそれぞれに対する意見を今月末まで募集している。(岩谷瞬)

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