サルが独立?クーデター? 大分・高崎山の勢力図に「異変」 

西日本新聞 社会面 井中 恵仁

 大分市の高崎山自然動物園で、サルの勢力図を巡る新たな「異変」が起きている。500匹ほどのサルがいるC群内で、うち約4割が群れから「分派」し、勝手な行動を繰り返していることが確認された。同園でこれだけの規模の分派は初めて。今は分派後も友好的な関係を保っているが、再び合流し元のさやに収まるか、独立するか、またはボスを追いやり“クーデター”に至るかなどは見通せない状況で、同園は離れザルの行動を注視している。

 分派は同市が今月公表したサルの個体数調査で判明した。昨年6月、園職員が山中でパトロール中、C群とは違う場所に多数のサルの鳴き声を確認。その後の調査でボスザルや上位の雄から離れて別行動するC群の「分派」と分かった。その数は202匹に上る。園職員が与えた餌を真っ先に食べた10歳代の雄ザルがリーダーとみられるが「群れを率いるだけの力があるかは不明」という。

 高崎山にはB群とC群が生息。園では周辺地域の農作物被害抑制などのため、一時2千匹を超えたサルを800匹まで減らそうと餌の減量を進めたところ、2018年には園内の寄せ場にサルが姿を現さない“ストライキ”問題に揺れた。しかもC群では16年からリーダー格が雌を求めて次々とB群に移り弱体化。B群を怖がるC群が寄せ場に下りてこず、来場者の前にサルが姿を現さない「存続の危機」に陥った。

 見かねた職員は連日餌を手に山に入って寄せ場に誘導。B群のサルがC群へ挑発に行くそぶりを見せると、すぐさま制止に入ってC群の味方をし続け、勢力を盛り返してきたところだった。同園職員の下村忠俊さん(46)は「C群が分裂して寄せ場に来なくなったら寂しい。もう一度まとまり、みんなで寄せ場に来てほしい」と期待を寄せる。

 今後、分派がC群との交流を絶ち、寄せ場に現れるようになれば、1960年代以来の新しい群れの誕生となる。2002年にA群が消滅して以来2群態勢が続いてきたが、再び3群が寄せ場に姿を見せれば見学できる時間が長くなり、来場者増につながる可能性もあるという。(井中恵仁)

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