一緒に食事いいですか? JICAFe 【食堂物語】

西日本新聞 北九州版 西山 忠宏

 エジプト、タンザニア、エチオピア、タイ、ミャンマー、ベトナム…食事を求めて訪れる人たちの国籍はさまざま。そんな国際的な食堂が北九州市八幡東区平野にある。独立行政法人国際協力機構九州センター(JICA九州)1階にある「JICAFe(ジャイカフェ)」だ。

 政府開発援助(ODA)実施機関で、宿泊施設もあるJICA九州は年間約100の途上国から千人前後の研修員を受け入れている。研修員の滞在期間は基本的に2週間から3カ月。ジャイカフェが国際色豊かなのは、研修員に食事を提供する場だからだ。

 途上国の料理も提供していることなどから、途上国の文化理解につながればと一般にも開放。昼食時の一般利用は年間8千人前後となっている。

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 「ハロー」「ディナー・ウイズ・ユー・オッケー?(夕食、一緒にいいですか)」…。ジャイカフェでそんな言葉を笑顔で研修員たちに投げ掛けながら国際交流を楽しむ人もいる。JICA九州のそばにある九州国際大4年の宮田誠さん(21)。2年秋に大学の先輩に誘われて初めてJICA九州に行くと、日本文化を紹介する折り紙のイベントが催されていて参加した。その場で研修員と仲良くなり、ジャイカフェで一緒に食事もした。以来、月に2回程度、ジャイカフェに通うようになった。

 「英語はそれほど得意でないけれど、何とか意思疎通はできる」と宮田さん。「食事前にお祈りする人がいたり、野菜しか食べない人がいたり。異国の人たちとの交流は非日常感があっておもしろい」と語る。

 宮田さんは大学進学を機に、ふるさとの宮崎県を離れて八幡西区で1人暮らし。仕送りと有給インターンなどで生活費を確保している。ジャイカフェに行くのは、バイキング(昼食時税込み730円)が実施される第1、3水曜日が多い。

 「安い価格でいろいろなものを食べながら、外国の人と話ができる。最高の場所」と宮田さん。食事の後に一緒にカラオケを楽しんだことも度々あった。「何語で歌っているのか分からないこともあるんですけどそれがまた楽しい」と笑う。研修員が帰国後も交流を続けることができるよう、会員制交流サイト(SNS)で連絡が取り合える関係を40人以上と築いている。

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 宮田さんは今春卒業だがすぐに就職はせず、視野を広げようと、自分でためたお金で5月末から約1年間かけて世界を旅する計画。「研修員たちに世界旅行の件を伝えると誰もが、うちにもおいでよと言ってくれる。インド、ジョージア、ペルー、ボリビアは研修員の自宅に泊めてもらう予定」と目を輝かせる。

 ジャイカフェで国際交流を楽しむ人は他にもいる。八幡西区の会社員重藤貴子さん(50)は約6年前から通い続ける。週1回は来ており、知り合った研修員を若松区のグリーンパークなどに案内することもある。「いろいろな国について知ることができるのが魅力。『ありがとう』ぐらいは、さまざまな国の言葉で言えるようになった」と笑った。

▼JICAFe セットメニュー(メイン料理にごはん、スープ、副菜、ドリンクバー付き)が470円(税込み)から。世界各地の研修員が利用するため、イスラム教徒向けのハラル、ベジタリアン、エスニック、カレーの各セットを用意。日本の家庭料理も知ってもらおうと、チキン南蛮や天ぷらうどんなどが中心の日替わりセットもある。月替わりの「世界の料理」もあり、昨年12月は西アフリカにあるコートジボワールの「ケジュヌ(鶏とトマトの無水煮)」が主菜の定食だった。夕食時には5カ国のビールが飲める。営業時間は昼食時が午前11時半~午後2時、夕食時が午後6~9時。不定休。夕食は9日から営業。八幡東区平野2-2-1。093(671)6311。

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