中国で新型肺炎、デマ拡散 「60度の湯で殺せる」 「感染者逃走」

西日本新聞 総合面 川原田 健雄

 【北京・川原田健雄】60度以上のお湯を飲めばウイルスを殺せる? 新型コロナウイルスによる肺炎が拡大する中国で、肺炎に関するデマが広がっている。「感染者が逃走した」などの悪質な偽情報もあるため、中国当局は信じ込まないよう注意を呼び掛けている。

 ニュースサイトの中国新聞網は29日、短文投稿サイト「微博(ウェイボ)」で予防や治療に関するデマを特集した。ドライヤーで手と顔に熱風を30秒当てれば消毒できる▽56度の熱いシャワーを浴びればウイルスに対抗できる▽ごま油を鼻の穴にたらすと予防効果がある―など具体例を紹介。「熱風を当てても皮膚が乾くだけ」「ウイルスを殺すには56度以上の状態を30分維持しなければならないが、人体を56度以上に保てば壊れるのはウイルスだけではない」「ごま油を鼻に入れても匂いが付くだけで何の効果もない」と正しい情報を付記して信じないよう呼び掛けた。

 デマやフェイク(偽)ニュースは微博のほか、10億人超が利用する通信アプリ「微信(ウェイシン)」を通じて拡散するケースが目立つ。北京在住の50代男性は「毛糸の衣服はウイルスが付着しやすい」「ニンニクが治療に効く」などの偽情報を微信を通じて知った。「日本が千人の医療チームを武漢に派遣する」という偽ニュースも流れてきたという。

 こうした現状を受け、微信を運営する騰訊控股(テンセント)は、新型肺炎に関する情報の真偽を検証する特設サイトを開設。情報ごとに「デマ」「事実でない部分がある」などと検証結果を紹介し、偽ニュースが拡散しないよう努めている。悪質なデマを流す利用者にはアカウント停止などの強い態度で臨む構えだ。

 今月下旬には、感染者が車で逃走したというデマが車のナンバーとともに拡散した。こうした偽情報はさらに社会不安を高めかねないため、中国当局もデマの削除や打ち消しに力を入れている。

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