41歳で閉経、謎の不調…更年期のリアルを漫画に

西日本新聞 くらし面 川口 史帆

 福岡市の漫画家まきりえこさんが、41歳での閉経と、その後10年間、原因不明の体調不良を抱えた経験を紹介する漫画「オトナ女子の謎不調、ホントに更年期?」(集英社、1430円)を発刊した。「更年期の症状は、恥ずかしいことのように思いがち。私自身も人に相談できなかったが、誰もが経験する普通のこと。もっとオープンに話せるようになってほしい」と語る。

 閉経は突然やってきた。当時、2人目を産みたくて「妊活中」。生理が止まったが妊娠の兆候はない。婦人科で血液検査をすると、ホルモンの数値は卵巣が働いていないことを示していた。このままでは生理の再開や自然妊娠が望めない閉経の状態、と告げられた。

 日本産科婦人科学会によると、日本人の平均閉経年齢は50歳。40歳未満を「早発閉経」と定義し、40代前半を「早期閉経」ということもある。

 排卵を促す治療もあったが、医師に「次の妊娠を望んでいますか」と問われ、とっさに否定した。当時は現在ほど高齢出産が一般的ではなかった。「芸能人でもお金持ちでもないのに、40歳過ぎてまだ子どもを求めるなんて、と思われる気がした」。基礎体温を毎朝記録するほど望んでいたのに、正直に言えなかった。つらい半面、妊活の重荷から解放されたようにも感じた。

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 更年期は性別にかかわらずあり、女性の場合、閉経前後の約10年間とされる。ホルモンバランスが乱れ、体調や精神面にさまざまな不調が現れることがあるが、まきさんは診断から半年ほど何事もなかった。

 しかしある朝、布団から起き上がれなくなった。仕事が多忙で睡眠不足のせいかと思ったが、経験したことのないだるさだった。それまで高熱が出ても気力でこなしてきた家事や仕事が、できなくなった。かかりつけ医に風邪と診断されるが、なかなか治らない。腹痛や目まい、乾燥肌など、次々に症状が加わった。

 重い病気も疑った。漢方内科、消化器内科、婦人科…。病名を知りたくて、いくつもの医療機関を転々とする「ドクターショッピング」状態に。原因が分からず「詐病と思われているのではないか、自分が精神的におかしいのか」と追い込まれた。自殺したい衝動に襲われ、心療内科でうつ病と診断された。抗うつ薬も効かなかった。

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 終わりが見えない暗闇に光が差したのは47歳のときだ。ある医院で、閉経前後に急減する女性ホルモンを補うホルモン補充療法(HRT)を提案され、試すと劇的に症状が和らいだ。50歳のときには膠原(こうげん)病の一種、シェーグレン症候群であることも判明。倦怠感(けんたいかん)などを引き起こしていたことが分かった。

 更年期障害について「世間ではヒステリーや汗っかきといった単純なイメージがあるが、自分が直面したらすごくやっかいで孤独だった」と振り返る。不調は人それぞれで、まきさんのように別の病との複合的な症状に悩む人もいる。食事や運動などが有効な場合もある。「つらい時期は必ず終わり、以前の状態に近い自分が戻ってくることも知ってほしい」と力を込める。

 新刊には「一人で我慢しないで」との思いを込めた。漫画なら後悔や失敗も隠さず描き、笑いながら読んでもらえる。男性や若者にも身近なこととして考えてもらえる。「閉経しても人生はまだまだ続く。年を取るって悪いことじゃないし、今の私は30代の私より元気。楽しいのはこれからだよって、誰かの背中を押せたらいいなと思います」

 (川口史帆)

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