自然の中で自主性育む 日田の保育施設「森のようちえん」

西日本新聞 大分・日田玖珠版 笠原 和香子

 子どもを自然の中で自由に遊ばせ、自主性を育てる教育に取り組む認可外保育施設がある。大分県日田市前津江町の「森のようちえん おひさまのはら」。1日の多くを屋外で過ごし「好奇心が旺盛になった」「体力が付いた」などたくましく成長する子どもに目を見張る利用者の声が相次いでいる。

 運営しているのは、同町の折居弘滋さん(51)と公美乃さん(51)夫妻。信念は「子どもは遊びを通して生きる力を身に付ける」。福岡市で、小学生が自由に遊べる環境整備活動に関わってきたが、どうやって遊んでいいのか分からない子どもを多く見てきて、幼児期からの取り組みが必要と強く感じてきたという。

 同施設は2018年秋から週に1日、試験的に始めた。園舎はクヌギやサクラの木々に囲まれた約3800平方メートルの敷地内にある40平方メートルほどの木造平屋建て。広い園庭には手作りの木製ブランコやジャングルジムが並ぶ。

 保育方針は「森の中でやりたいことを思う存分やってみる」。保育施設は園舎内での活動が一般的だが、同施設では園児が園舎にいるのは1日のうち1時間半ほど。天気にかかわらずほとんどの時間を屋外で過ごす。園庭や近くの山、野原、川に出掛けて木に登ったり穴を掘ったり、虫を捕ったりして自然と触れ合う。

 折居さん夫妻や保育士の佐藤綾さん(31)らは「危ない」「汚い」「だめ」「早く」という言葉を使わない。大けがに至らないように近くで見守るが、子どもがやりたいことは何でもやらせる。思い通りにならないことや突然のアクシデントなどに直面したときは成長のチャンスで、「転んで痛みを覚えたとき、どうしたら痛みを和らげられるのか、なぜけがをしなかったかなどを自分で考えるようになる。また、やりたいことをして心が満たされれば人に優しくできるようになる」という。

 19年6月から本格的に始め、園児の受け入れを週4日に拡大。徐々に増え、現在は16人が通う。今年4月からは週5日に増やす予定。次男(4)が通う日田市大山町、田辺亜吏可さん(44)は「子どもの個性を伸ばしてくれる理想の教育」と手放しで喜んでいる。

 折居さん夫妻は「失敗をしながらも居場所を見つけて、自分らしく生きる人に成長してほしい」と願っている。 (笠原和香子)

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