引きこもる家族にどう接する? 九大病院などが教育支援プログラム

西日本新聞 医療面 山下 真

 九州大病院精神科神経科の加藤隆弘講師(精神医学)らでつくる共同研究チームは、引きこもりの人の家族が、本人との接し方や支援機関へのつなぎ方を学ぶ教育支援プログラムを開発した。引きこもり期間が長期化する事例では、本人に限らず、家族も支援機関への相談をためらい、支援が遅れるケースが目立つ。プログラムを通じて家族に対応技術を身に付けてもらい、早期支援を促すのが狙い。

 加藤講師によると、引きこもりとなるきっかけは、職場や学校など社会への不信感、精神疾患や発達障害の影響など、さまざまな要因がある。早期に専門家のサポートが必要となるが、家族に引きこもりへの偏見や知識不足がある場合、何年も支援機関につながらない例もあるという。

 プログラムでは家族を対象に1回2時間ずつ、計5回の講義やロールプレイを実施。引きこもりや精神疾患への理解を深め、具体的な声の掛け方などコミュニケーションの技法を学んでもらう。

 例えば、子どもに支援機関の情報を伝えるシナリオでは、声掛けのタイミングや、安心させる情報提供の方法、相手の気持ちを受け止める傾聴のこつなどを紹介。心の問題に早期対応するためにオーストラリアで普及している市民向け研修「メンタルヘルス・ファーストエイド」の技術を盛り込んだ。

 プログラムは今後、引きこもり支援機関に活用してもらう。多くの家族が受講できるように改良を続け、短時間化やオンラインによる受講システムの構築も目指す。

 加藤講師は「引きこもり問題では家族も負い目を感じるケースがある。親が心の余裕を持って対応できるようにサポートしていきたい」と話している。 (山下真)

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