白川緊急治水事業が完了 九州北部豪雨から7年半 川幅広げ防災力強化

西日本新聞 熊本版 和田 剛

 2012年7月の九州北部豪雨を受けた白川の激甚災害対策特別緊急事業が完了し、事業主体の国と熊本県が1月、熊本市内の工事箇所を報道機関に公開した。工事区間約13キロに7年間で総事業費約255億円を投じ、河道のカーブを緩やかにしたり、川幅を広げたりして防災力を高めた。国土交通省は、緊急事業の完了により02年制定の河川整備計画も達成できたとして、今後約30年かけて進める新しい計画を公表した。

 九州北部豪雨では、白川上流の阿蘇市坊中(ぼうちゅう)観測所で総雨量517ミリを観測。工事区間のみらい大橋(熊本市東区)~明午(めいご)橋(同市中央区)間にあった家屋183戸が全半壊、418戸が床上浸水した。

 緊急事業は上流側を県、下流側を国が担当。河川整備計画が基準とする代継橋(同市中央区)での増水時の安全な流量の上限は、20~30年に一度の洪水に対応できる毎秒2千トンをほぼ確保。新計画では立野ダムなどの効果も含め、60年に一度の洪水に対応可能な毎秒2700トンを目指す。

 緊急事業は12年から段階的に進んだ。九州北部豪雨で浸水被害を受けた熊本市中央区龍田地区で、大きく蛇行していた河道をショートカットする工事が17年9月に完了。河道になった住宅地約2万7千平方メートルから家屋110戸が移転した。

 17年11月には、川幅の拡大に伴い、同区の龍神橋が架け替えられ、長さ75メートルから106メートルに延伸。車道部分の拡幅に伴う分の事業費は、熊本市が負担した。

 東区の小磧(おぜき)橋付近では、九州北部豪雨で水位が上がった白川から水路に水が逆流して家屋が浸水した。今回、堤防整備と同時に水路に水門を設けた。橋の下流では、川に近い民家の移転を進め、堤防外側に土のうを集めたり大型車両を配置したりする防災用の広場2カ所を整備。平常時の親水空間として、階段や堤防脇の道路などを改修した。

 国土交通省熊本河川国道事務所の中元道男副所長は「多くの家屋に移転してもらい、安全性を向上できた。市民が使いすいよう環境にも配慮した」と話した。

黒川でも事業完了 阿蘇市

 白川に合流する熊本阿蘇市の黒川で、県が2012年度から進めてきた河川激甚災害対策特別緊急事業も1月に終了した。工事区間は27キロ、総事業費約201億円。

 黒川は12年の九州北部豪雨で約13時間にわたり氾濫危険水位を超え、川沿いの農地や住宅地が浸水した。

 緊急事業では、同程度の洪水で家屋が浸水しないことを主眼に整備。黒川の流量を下げるため、小倉と手野の二つの遊水地を新設した。洪水発生に備え、集落3カ所を「輪中」と呼ばれる堤防で囲み、家屋146戸の敷地をかさ上げした。(和田剛)

熊本総局が移転しました

熊本総局 移転先地図

西日本新聞熊本総局が移転しました。新しい総局は、熊本市中央区の熊本桜町バスターミナルに近い坪井川沿いです。電話、FAX番号も変更となりました。

▼移転先
住所 〒860―0805 熊本市中央区桜町2番17号第2甲斐田ビル9階
電話 096(323)1851
FAX 096(323)1853

熊本県の天気予報

PR

熊本 アクセスランキング

PR

注目のテーマ