「記録的」と形容される出来事は近年、気象の動きに偏っている…

西日本新聞 オピニオン面

 「記録的」と形容される出来事は近年、気象の動きに偏っている。四季の異変。昨秋の東日本への台風連続上陸などに続き、今冬も例年にない現象が

▼1月の平均気温は列島の広い範囲で観測史上最高を記録。九州でも福岡、佐賀、長崎、熊本、大分各市で最高、鹿児島市で史上タイ、宮崎市で史上2位だった

▼大分の佐伯市では1時間に117・5ミリの猛烈な雨(1月としては全国歴代1位)を観測した一方、札幌市や新潟市などは積雪が平年の半分ほどに。まさに記録的な暖冬である

▼こちらは東京に偏っている。それも近年に限らない。地方からの人口流入。総務省が先日発表した2019年住民移動報告で、この加速ぶりが明らかになった

▼転入者数が転出者数を上回る「転入超過」(人口の社会増)。東京圏(神奈川、千葉、埼玉を含む)では、これが1996年からずっと続き、昨年も約14万9千人(前年比9千人増)に上った。三大都市圏のうち大阪、名古屋圏はこの数字が2013年以降、マイナスに転じているから東京の「独り勝ち」だ

▼きょうは立春。この時期、よく口ずさまれるのは「春は名のみの風の寒さや…」と続く早春賦。暖冬の今年、ウグイスの鳴き始めは少し早いかもしれない。けれども、地方創生はそれこそ名ばかり。平成以来、東京一極集中の是正が叫ばれてはや30年。これが一向に進まないのも“記録的”な失政であろう。

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