【2020円くまもとの旅】先人たちの声を聞く 荒尾市で名所巡り

西日本新聞 夕刊 宮上 良二

 熊本県荒尾市の「三大名所」と言えば、世界文化遺産の三池炭鉱旧万田坑、ラムサール条約登録湿地の荒尾干潟、県史跡の宮崎兄弟の生家。市役所のロビーで紹介映像が流れるこの3カ所を1日で巡ってみようと思い立ち、午前10時にJR荒尾駅を出発した。

 線路に沿って南へ13分歩き、大きな門構えの宮崎兄弟の生家に到着。生家の資料館と万田坑の入館料がお得になるセット券500円を買う。

 生家には中国清王朝を倒した辛亥革命の英雄、孫文が2度も訪れ、革命の成功に大きな役割を果たした盟友の宮崎滔天(とうてん)と親交を深めた。資料館は滔天や西南戦争で戦死した兄八郎など、理想に生きた4兄弟それぞれの軌跡を紹介する。「兄弟を陰で支えた女性たちの存在もお忘れなく」と資料館のガイド梶原順花さん(39)がささやいた。

 緑豊かな庭園には白梅、ボタン、ボダイジュなどそれぞれいわれがある花木があり、春に来るのも楽しみだ。

 駅に戻り、駅前発の産交バスに乗ると約10分で万田坑に着いた。1時間おきに施設を案内するガイドの先導で、約30人の観光客と一緒に巡った。18・9メートルの立て坑やぐらを見上げ、巨大な巻き上げ機に触れる。黒々とした坑口をのぞき込むと、日本の近代化を支えた炭鉱マンたちのざわめきが地底から聞こえてくるようだ。

 昼食は、敷地内にある「まるごとあらお物産館」の「梨カレー」。甘く煮たナシの薄切りと辛めのカレーとの相性がなかなか良い。デザートに、ブラックココアで石炭色を出した菓子「万田坑マドレーヌ」を購入。100円で石炭のかけらの記念品も買った。

 資金は残り420円。徒歩で約30分かけて荒尾駅へ。列車に乗ること3分。隣の南荒尾駅で降りると、最終目的地の荒尾干潟の観察拠点、水鳥・湿地センター(入館無料)まで約500メートル。センターでは、展示や映像などで干潟の仕組みや生息する多様な生き物について学べる。

 干潟が現れる干潮の時間帯を調べて訪れるのが大事。私は日没と干潮の時間が近い日を旅の実施日に選んだ。午後5時すぎ、対岸の雲仙・普賢岳と多良岳の間に太陽が沈んでいき、干潟が薄赤く染まった。散策する家族連れ、貝殻拾いをする子ども、夕焼けを見つめる老人…。干潟の夕日は荒尾の宝だと思った。 (宮上良二)

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