がんでも働ける職場に 副知事と市教育長が闘病語る 8日、熊本市

西日本新聞 社会面 和田 剛

 がんと闘いながら、仕事を続ける意義を考えてほしい-。熊本県の小野泰輔副知事(45)と熊本市教育委員会の遠藤洋路教育長(45)が8日、同市で開かれる講演会「わたしもがんです」で、治療中の悩みや仕事との両立について、自らの体験を語る。ともに働き盛りで肺のがんに直面した2人。「がんと正しく向き合い、職場の理解が進む一助になれば」と参加を呼び掛けている。

 小野さんは衆院議員秘書などを経て、2012年から同県副知事を務める。15年夏の健康診断で初期の肺腺がんが見つかった。同12月にがんを公表し、手術などで約1カ月公務を休んだ。つらかったのは知人から届いたさまざまな「助言」だったという。

 「励ましの一方で『その治療法ではだめだ』『あなたの生き方が病気を生んだ』などと言われた。悪意はないのだろうが、精神的に苦しんだ」と振り返る。

 38歳で副知事に就いた重圧の中、休みを削って無理を続けていた小野さん。闘病体験は、働き方を見直すきっかけになったといい「誰でもがんになり得る。健康診断の大切さを伝えたい」と話す。

 一方、遠藤さんは文部科学省勤務や会社経営を経て17年に熊本市教委の教育長に就任。19年2月に肺の悪性リンパ腫を公表し、数日ずつ休みながら約半年間の抗がん剤治療を受けた。数年前から原因不明の息苦しさを感じており、がんと判明したときは「ショックよりも『やっと治療できる』と受け止めた」という。

 腫瘍は2、3カ月で消えたが、一時は髪の毛が抜けたり、体がむくんだりして顔立ちが変化。精神的に不安定になったことも。そんなとき、職場の理解が支えになったという。

 「勤務中は病気のことを考えずに済んだ」という遠藤さん。「がんの病状や考え方は人によってさまざまで、働かない選択肢もある。ただ、仕事をしたい人に応えられる職場が増えてほしい」と強調する。 (和田剛)

   ◇    ◇

 講演会は、がん患者や支援者でつくる熊本市の市民団体「いのちをつなぐ会」が企画。8日午後1時半から同市中央区のくまもと県民交流館パレアで開く。無料。同会=090(9572)9285。

熊本総局が移転しました

熊本総局 移転先地図

西日本新聞熊本総局が移転しました。新しい総局は、熊本市中央区の熊本桜町バスターミナルに近い坪井川沿いです。電話、FAX番号も変更となりました。

▼移転先
住所 〒860―0805 熊本市中央区桜町2番17号第2甲斐田ビル9階
電話 096(323)1851
FAX 096(323)1853

熊本県の天気予報

PR

熊本 アクセスランキング

PR

注目のテーマ