工藤会本部跡を福祉拠点に 困窮者支援や子ども食堂 NPO購入へ

西日本新聞 一面

 特定危険指定暴力団工藤会本部事務所(北九州市小倉北区)の跡地活用を巡り、ホームレスの自立支援に取り組むNPO法人「抱樸(ほうぼく)」(同市八幡東区、奥田知志理事長)が、工藤会側と売買契約を締結している福岡県内の民間企業から土地を購入することで基本合意したことが5日、複数の関係者への取材で分かった。跡地には、同法人が生活困窮者の就労支援や子ども食堂といった弱者支援の施設を建設して「総合的な福祉拠点」を目指す。

 同法人によると、北九州市は暴力団の街のイメージが強くそのイメージを払拭(ふっしょく)するために、象徴的存在でもある本部事務所の跡地に福祉の拠点を造ることを計画した。民間企業への工藤会側の売却額約1億円と同程度の額での購入を見込んでおり、広く寄付を募る考え。

 建設する施設は子どもから高齢者まで誰もが共生できる拠点と位置付け、生活困窮者や障害者らに就労支援などを実施。不登校の子どもへの学習支援を行い、子ども食堂も開く予定。既に「希望のまちプロジェクト」として、地元の自治会長らに計画の説明も行っているという。

 本部事務所は1980年代半ばに完成し、敷地面積は約1750平方メートル。2019年11月12日に工藤会側が福岡県暴力追放運動推進センターに1億円で売却する契約が成立した。解体作業は19年11月15日に始まり、現在整地作業中。今年2月中旬に工藤会が正式に同センターに売却後、福岡県内の民間企業に転売される。その後、民間企業と抱樸が正式契約を結び、土地の売買が完了する見通し。

 民間企業と抱樸は4日に基本合意を締結した。奥田理事長は「(工藤会本部事務所跡地に)新しいものを造る必要がある。北九州市の未来のため、重い歴史を、明るい歴史にしたい」と話した。

【ワードBOX】抱樸

 ホームレスの自立支援を中心に取り組むNPO法人。牧師である奥田知志氏らが1988年に活動を開始し、これまでの支援で自立につなげた人は約3500人に上る。北九州市の委託を受け、ホームレス自立支援センター北九州(同市小倉北区)を運営するほか、障害者への働く場所の提供、デイサービスセンターの運営、子どもの学習支援なども手掛ける。新年には恒例の炊き出しを行っている。福岡県の北九州、福岡、中間の3市、山口県下関市で活動している。

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