発達障害者が過ごしやすい「ひとり空間」とは 大学の取り組み (2ページ目)

西日本新聞 くらし面 三宅 大介

●自分の部屋として

 研究会は昨年11月、学内で公開シンポジウムを開催。羽野さんや田中教授ら6人のメンバーらが登壇し、こうした取り組みや検討の途中経過を紹介した。

 羽野さんは、発達障害などがある人向けの「ひとり空間」のあり方として「誰にでも適したユニバーサルな対応は難しい」と強調。今後の検討の方向性について、「誰もが一番落ち着きを感じる自分の部屋のように、一人一人のニーズに応じて、自由にカスタマイズ(変更)できる空間づくりに挑戦していきたい」と語った。

 個人の意向に耳を傾け、柔軟に対応する-。その方法論は合理的配慮とも一致する。「感じ方」という意識の内面の共有は簡単ではないからこそ、よりきめ細かなコミュニケーションが欠かせない。空間づくりというハード面だけにとどまらず、意思疎通のノウハウも含めた研究成果が社会に還元されるよう、大いに期待したい。 (編集委員・三宅大介)

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 【ワードBOX】九州大学キャンパスバリアフリー検討研究会

 2016年の障害者差別解消法施行に伴い、学内に設置された障害者支援推進専門委員会のもと、18年度に発足した。建築や都市計画、臨床心理だけでなく健康科学、視覚・色覚、情報科学なども交えた専門教員らで構成。当事者目線で学内のさまざまなバリアーを調査・解明し、新しい仕組みや技術開発を通して社会への新しい価値観の提示を目指す。ひとり空間以外にも、19年度は色やアートなどをテーマに、計6回のシンポジウムを開催。

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