ドクターもいろいろ  連載・霹靂の日々【11】大島一樹

西日本新聞 くらし面

 オクサンは救命救急センターに2カ月程度入院した後、脳外科の一般病棟に移りました。センターは入室の手続きが煩雑で、ほとんどのベッドが埋まっていて、生命の「境界」がそこかしこにあり…。そんな慌ただしかった場所から「ようやく」の思いでした。

 それでもまだ点滴も、呼吸器の管もついたまま。担当の医師も代わりましたが、聞かされる説明は代わり映えしない言葉。「99パーセント難しい」「これ以上の改善は難しい」…。

 病院にはたくさんの医師がいらっしゃいますが、脳外病棟へ移ったとき、本当にさまざまな先生がいることを実感しました。

 身内の気持ちまで考えて慎重に受け答えしてくれる人、一見ぶっきらぼうだけど確かな診断だけを説明してくれる人、漫画で見るような、髪に寝癖をつけた研修医などなど。共通するのは、それぞれが少しずつ醸し出す、大変そうな日常感。「脳の手術が他と違うのは、他の臓器のように裏返したりできないこと」-。最初に手術された先生のそんな言葉も印象的でした。

 薄く目を開けるようになったオクサンのそばで、回復したら先生方みなにお礼を言いに行きたいと考えていました。自宅に来てくれた救急隊員の2人も含めて何人、何カ所あるかな、と。遠い先であるとは思っていましたが、いまだにかなっていません。この頃から、病状などを自分でさまざま調べていくようになりました。(音楽プロデューサー、佐賀県みやき町)

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