きょうは「北方領土の日」…

西日本新聞 オピニオン面

 きょうは「北方領土の日」。北方四島(択捉島、国後島、色丹島、歯舞群島)の返還運動を盛り上げるため、1981年に政府が定めた。1855年2月7日に結ばれた日露通好条約にちなむ

▼この条約で、択捉島以南の4島は日本領と画定された。太平洋戦争終戦直前、旧ソ連は日ソ中立条約を破棄して参戦。4島を占領し、島民は故郷を追われた。現在もロシアが実効支配している

▼戦時中は、日本領だった千島列島や南樺太、日本が事実上統治していた満州にも多くの日本人が暮らしていた。そこにもソ連軍は攻め込んだ。軍人らは極寒のシベリアなどに抑留され、残された女性や子ども、高齢者らは本土を目指した。それは、ソ連兵による略奪や暴行、現地住民の襲撃におびえ、飢えや寒さに苦しむ過酷な逃避行だった

▼東京・西新宿の超高層ビル33階にある平和祈念展示資料館で開催中の「女性たちの戦争展」(3月29日まで)を訪ねた。終戦と同時に始まった女性たちの壮絶な体験を伝える証言や資料が紹介されている

▼「二日市保養所」に関する展示の前から動けなくなった。博多港まで引き揚げる途中に、乱暴されて妊娠した女性数百人が中絶手術を受けたとされる施設だ

▼展示館の周囲は、都庁をはじめ超高層ビルが競うように立ち並び、東京五輪に向けた建設工事のつち音が響く。平和と繁栄の景色の中に埋もれさせてはならない歴史もある。

PR

春秋(オピニオン) アクセスランキング

PR

注目のテーマ