【2020円くまもとの旅】乗り継ぎの限界に挑戦 路線バス1日乗車券

西日本新聞 夕刊 和田 剛

 熊本県内では各社の路線バスに乗り放題の1日乗車券「わくわく1dayパス」(2千円)が発行されている。この券を購入し、乗り継ぎの限界に挑んだ。出発前から残金は20円。

 6時半、サクラマチ クマモト発(熊本市)。宇土方面の始発に乗る。夜明け前だが国道3号は通勤の車でいっぱいだ。7時11分、宇土駅前着(宇土市)。

 7時20分発 18人乗りの小型バス。海を見ながら進む。乗車してきた小学生の集団に、男性運転士が話し掛ける。顔なじみらしく、和やかな雰囲気。8時18分、三角産交着(宇城市三角町)。

 8時38分発 海風が冷たい。また小型バス。天草五橋の1号橋を渡る。眼下の海に船の航跡が見えた。8時59分、さんぱーる着(上天草市大矢野町)。

 9時5分発 さっきと同じバスだ。ほぼ一人旅で天草五橋の2~5号橋からの眺めを満喫。9時18分、遊覧船のりば前着(同市松島町)。海の近くにある龍をかたどった「龍の足湯」で一息。予定の便を逃しそうになり全力疾走。200メートルほど先の停留所で追い付く。助かった。

 9時48分発 3回連続で同じバス。男性運転士(63)が「次は12時台。間に合って良かったですね」と笑顔。10時4分、さんぱーる着。さんぱーるは道の駅。天草の特産物が並ぶ。かんきつ6種類を試食。おいしい。

 10時35分発 同乗者は女性1人。10時56分、三角産交着。持参した弁当を待合室で食べる。

 正午発 果樹畑や集落を縫うように、宇土半島の南側を走る。この日初めて暖かい陽光が差した。13時9分、松橋産交着(宇城市松橋町)。意を決し、スーパーで1袋20円のモヤシを購入。

 13時40分発 田んぼの中を進む。高校生9人が乗り、にぎやかだ。14時23分、八代市役所前着。

 15時5分発 比較的乗り降りが多い。15時35分、日奈久温泉前着(同市日奈久町)。日奈久温泉センターの受付にあいさつし、屋外の足湯を使わせてもらう。座りっぱなしの体が癒やされる。

 16時29分発 道が混み、定刻から6分遅れの17時4分、八代市役所前着。

 17時5分発 乗り場は道の反対側。ダッシュで間に合った。定刻8分遅れの17時57分、松橋産交着。ああ、予定のバスを逃した。

 18時半発 気を取り直して出発。熊本市に近づき乗客も増える。19時28分、サクラマチ着。

 19時45分発 乗車時はこの日初の満席。車内が寂しくなった20時55分、山鹿温泉着(山鹿市)。温泉街の中心で、もうもうと湯気を上げる石積みの足湯に漬かる。心地よい。

 21時9分発 熊本市に向かう最終バス。便数の多い基幹路線だけに乗り降りも多い。定刻1分遅れの22時12分、サクラマチ着。翌日、モヤシを炒めて職場で振る舞い、長い旅は終わった。

 運転士や乗客と触れ合い、車窓の風景を楽しめるのが路線バスの魅力だ。過疎化や乗客減に負けず、これからも走り続けてほしい。 (和田剛)

 =おわり

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