焼酎かすで高性能電池 鹿児島でベンチャー始動

西日本新聞 九州+ 今井 知可子

 焼酎かすで高性能電池を作る福岡工業大(福岡市東区)の田島大輔准教授の技術を実用化し、次世代電源ユニットを作るベンチャー企業が焼酎の本場・鹿児島県霧島市で始動した。自身が鹿児島出身の田島さんは「地元で大量に出る焼酎かすを“地産地消エネルギー”に変え、鹿児島から海外市場へと発信したい」と意気込む。

 田島さんは宮崎大農学部に在籍していた時、農業現場で出る廃棄物の再活用について研究を始めた。特に焼酎造りが盛んな九州では、産業廃棄物である搾りかすの処分が各地で大きな課題となっている。

 大学を移ってからも活用法を研究。焼酎かすを炭化させた後、高温処理で無数の細かい穴を開ける賦活(ふかつ)という工程を通して活性炭にした。穴が多数のイオンを吸着して電極として使えるようになり、この技術を基に高性能電池とバッテリーを開発した。

 活性炭電池にはヤシ殻を使うものが多いが、田島さんによると焼酎かすは発酵工程で原料が一度分解されているため、賦活で効率よく穴を開けられるという。

 産業廃棄物である焼酎かすを有効活用できる技術を実地に生かそうと昨年、鹿児島県の企業や東京の工作機械メーカーなどが出資してベンチャー企業「BlueForce」を設立。高性能電池とバッテリーを組み合わせ、主に工業用の次世代電源ユニット販売を計画する。中国の重機メーカーも出資参加し、関心を見せている。

 現在は九州各地の2酒造組合、3つのメーカーから芋、麦、米、ゴマ焼酎の搾りかすの提供を受けている。同社の技術責任者も兼ねる田島さんは「地域課題をエネルギーに変えて貢献できる。環境規制の厳格化でニーズが高まるアジア市場を視野に、量産体制を整えたい」と話している。(今井知可子)

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