阿蘇のかやが京都の山里景観保護に 今季初の出荷、屋根のふき替えへ

 京都の山里景観保全に向け、阿蘇地域で刈り取られたかや(ススキ)が6日、今季初めて出荷された。草原保全と資源活用に取り組む公益財団法人「阿蘇グリーンストック」が本年度から本格的に始めた。今季は9千束(約70トン)の出荷を予定している。

 出荷先は「かやぶきの里」として知られる京都府南丹市の美山(みやま)地区。屋根をふき替えるためのかやが不足しており、阿蘇からも購入することになった。阿蘇地域の牧野にとっても農閑期の副収入になり、経済循環の中で草原の活用保全を広げようとする取り組み。

 この日は、阿蘇市波野地区の旧小学校跡に集められた約600束がトラックに積み込まれた。作業に当たった岩下幸史さん(32)は6年前に脱サラし、主にトマトを栽培。新規就農した若手計7人でグループを作り、かや刈りに当たった。「一日50束を刈るのが精いっぱい」だという。

 広大なススキ原野で知られる荻岳牧野(40ヘクタール)ではボランティアが刈り取り作業に参加。地域では過疎・高齢化が進み、牧野組合は古沢志喜男組合長(70)1人だけ。野焼きの時期は、地域の人々やボランティアの支援を得て、放牧用の草原は何とか守られている。

 古沢さんは「昭和30年代までは、地域を挙げてかやを刈り、協力して家々の屋根をふき替えていた。そうした営みが形を変え、復活していくのはうれしい」と話した。(佐藤倫之)

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