PTAで直面した貧困が原点…“毎日”開く子ども食堂、開設した主婦の思い

西日本新聞 社会面 金田 達依

 平日は毎日、朝と夕方に開店する子ども食堂「こころ食堂」が福岡県岡垣町桜台にオープンし、地域の小学生やお年寄りたちの居場所になっている。近くの主婦清田尚美さん(60)が「おなかをすかせた人を一人でも減らしたい」と、居酒屋だった空き店舗を改装し、食事と勉強のスペースを設けた。毎日開く子ども食堂は全国的にも珍しく、毎回15人程度が清田さんの手料理を味わっている。

 「お代わりちょうだい!」。2月初旬の夕方、住宅街にある「こころ食堂」で子どもたちが笑顔で声を上げた。この日のメニューはハンバーグにチャプチェ、ポテトサラダとみそ汁。子どもたちはお年寄りと一緒に食事を楽しんだ。

 子どもはおかず3品とおにぎりの朝食が無料(大人100円)。夕食も100円(同300円)で提供。15席あり、宿題や勉強をして帰る子どももいる。一般の人も利用可能だが、寄付をお願いしている。

 3人の子どもを育てる20代のシングルマザーは「金銭的な余裕がなく、菓子パンだけの夕食もあった。ここだと子どもたちはおなかいっぱい食べられる」と、ほっとした笑顔を見せた。

 清田さんは同県飯塚市出身で、小学校の養護教諭をした経験がある。活動の原点は3人の息子の子育てで約10年間携わったPTA活動。熱があっても「給食は食べたい」と帰宅しなかったり、一日の食事が給食だけだったりする子どもがいた。生活困窮世帯の存在を実感した。

 長年家族の介護や看病をしていたが、落ち着いたことから昨年12月に食堂をオープン。友人ら5人が手伝い、清田さんは午前4時から仕込みなどに奔走する。

 JA北九(北九州市)が規格外の野菜を提供しているが、肉や魚は自費で購入する。資金集めが活動継続の課題だ。清田さんは「子どもたちが空腹を気にせず、輝いている地域はずっと活気があるはずだ」と話す。協力の申し出などは同食堂=093(282)0557。(金田達依)

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