吉野彰さんに九大「栄誉教授」称号 「技術革新で環境問題解決を」

西日本新聞 くらし面 四宮 淳平

 携帯電話やパソコンなどに使われるリチウムイオン電池の開発でノーベル化学賞を受賞した吉野彰・旭化成名誉フェローが、九州大から「栄誉教授」の称号を贈られ、1月31日、福岡市の同大で授与式に臨んだ。記者会見後に講演し、技術革新による環境問題への取り組みの重要性を踏まえて「環境問題は解決するというメッセージを早く出さないといけない」と強調。次世代を担う若者たちにエールを送った。

 吉野さんは、世界的な気候変動に二酸化炭素(CO2)が連動しているとされる問題に対して「どれくらいのCO2濃度まで人間が正常に生活できるかという議論をした方が伝わりやすい」と説明する。

 その上で「環境問題は産業界が動かないと解決しない。環境と経済性、利便性を調和させると一気に解決する」と指摘。人工知能(AI)やモノのインターネット(IoT)などの技術革新や融合が一気に進み、無人の電気自動車(EV)がタクシーのように使える時代の節目が2025年に訪れるとの予測を示した。

 一方、若い世代には、世界が大きく変わろうという中で「絶好のチャンス。活躍の場が増えてくるという意識を持ってもらいたい」「学校では目立たない方が良いという風潮もあるが、世界が欲しがっているのはとんがった個性。今の教育とちょっとずれているような感じがする」と訴えた。

 歴代のノーベル賞受賞者については「研究を始めた平均年齢は36・8歳。私の経験から言っても35歳くらいで社会の仕組みが分かり、それなりの権限も与えられる」と説明。「失敗してもリカバリーのチャンスがある。周りが反対しても、やりたいことができる時期でもある。学生たちには、35歳の自分に対し何が必要かを想像して、勉強や人付き合いを考えてほしい」と呼び掛けた。(四宮淳平)

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