石牟礼さんしのび「不知火忌」 熊本市 ゆかりの作家、ファン集う

西日本新聞 熊本版 古川 努

 水俣病を題材にした小説「苦海浄土」の著者で、2018年2月10日に亡くなった作家石牟礼道子さん(享年90)をしのぶ集い「不知火忌」が9日、熊本市東区の真宗寺本堂であり、親交があった作家や詩人らが石牟礼さんとの思い出や横顔を語り、歌や詩の朗読を披露した。

 三回忌を前に、石牟礼さんの資料保存会が呼び掛け、ゆかりの作家やファンら約80人が参加。本堂には自筆の日記、ノート、苦海浄土の第3部「天の魚」の原稿など貴重な資料も展示された。不知火忌は毎年命日に合わせて開く予定という。

 集いでは、作家坂口恭平さん(41)が、石牟礼さんの詩の一節を「きょうも雨 あすも雨 私は魂の遠ざれき」とアレンジしてギターの弾き語りを披露。生前に録音した石牟礼さんの歌声もお披露目し、来場者は目を閉じ、耳を澄ました。

 詩人の伊藤比呂美さん(64)は「どんどん死に近づいていくのを、詩人として、1人の女として見ていた」と晩年を回顧。「春の小川がみんな舗装されている」という石牟礼さんの訴えに呼応し、有志で熊本市の坪井川周辺の自然を調べたエピソードを交え、「自然と一緒に生きていた。生き方を学んだ」と語った。

 石牟礼さんの創作活動を長く支えた日本近代史家で評論家の渡辺京二さん(89)も登壇。「車椅子に座って最後まで仕事をした。『きついから寝る』と眠り込んで、3日くらいたって…。苦しむことは一度もなかった。安らかに逝かれた」と最期を振り返った。(古川努)

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