「トラブルない親子」がなぜ? 宇佐殺害1週間、犯人像絞れず

西日本新聞 社会面 井中 恵仁 吉川 文敬

 大分県宇佐市安心院町で親子2人が殺害された事件は、10日で発覚から1週間となった。これまでの捜査では、2人に大きなトラブルは確認されておらず、現場では物色の跡も見つかっていない。怨恨(えんこん)による犯行か、それとも物取りによる事件か-。県警捜査本部は犯人像を絞り込めないでいる。

 事件は3日午前に発覚。山名高子さん(79)と長男の郵便配達員博之さん(51)が自宅1階のダイニングキッチンで亡くなっていた。死因はいずれも首を切られたことによる失血死で、死亡推定時刻は2日夜。2人は同時に襲われたとみられ、博之さんは上半身を中心に刺し傷や切り傷が数十カ所、高子さんにも十数カ所の傷があった。

 被害者が何度も切り付けられていることから、県警は、犯人に強い殺意があったとみる。ただ、親子を知る近隣住民は「恨みを買うような人ではない」と口をそろえる。農業の高子さんと博之さんの交友関係は限られているが、捜査本部は被害者周辺でトラブル情報は把握していないという。

 現場で見つかった複数の足跡に関しても、捜査関係者は「怨恨なら単独犯が多いのだが…」。玄関や勝手口などは施錠されており、足跡から犯人は縁側の窓から出入りしたとみられるが「顔見知りなら、玄関から入ってもおかしくない」と漏らす。

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 家への侵入手口や複数人による犯行からは物取り説が強まるが、これについても捜査幹部は首をかしげる。

 現場は田畑の中に民家が点在している地域。「鍵をかけたことがない」(40代男性)という家が多い中、周辺で窃盗事件は起きていなかった。

 事件発生は、住民が家にいることが多い日曜の夜で、この時間帯を選んで窃盗に入るとも考えにくい。実際、現場には財布や携帯電話が残されていたほか、引き出しが開けられるなど物色された跡もなかった。

 また、捜査幹部は「物取りであれば、逃げられればいいので、これほど被害者に傷を負わせる必要はない」と説明する。

 これまでの調べでは、現場のダイニングキッチンのカーテンなどには血が付いており、抵抗した被害者と犯人がもみ合いになった可能性がある。犯行の動機が判然としない中、捜査本部は犯人につながる微物がないか、現場で綿密な鑑識作業を行い、分析などを進めている。(井中恵仁、吉川文敬)

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