【動画あり】洋楽ロック好きの中高年バンド、中洲集結のフェス恒例に

西日本新聞 木村 貴之

青春期から向き合うロック

 「人生、楽ありゃ苦もあるさ。忘れないのはロケンロール!」―。1970年前後に登場して“ロック黄金期”を築いたグループやアーティストのカバーバンドが福岡市に集う「祭典の日~九州クラシック・ロック・フェスティバル」。2月8、9日にあった恒例イベントは、出演バンドの人情味あふれる熱狂のパフォーマンスで多くのファンを興奮の渦に巻き込み、堂々と軌道に乗り出した。

 イベントは同市博多区中洲のライブハウス「ゲイツセブン」で2018年2月から半年おきに開かれ、今回で5回目。今回は福岡を中心に九州で活動するバンド11組が集結した。出演バンドを演奏順に紹介しよう。

 【8日】グラーフ・ツェッペリンⅡ(福岡、レッド・ツェッペリン)▽ポン・ヘイレン(同、ヴァン・ヘイレン)▽ルービー・ブラザーズ(同、ドゥービー・ブラザーズ)▽トリオ・ザ・レインボー(福岡、ジミ・ヘンドリックス)▽モビー・ディック(大分、エリック・クラプトン)▽リッチー御前(みさき)&フレンズ=今回限定で特別結成(同、ディープ・パープル)

 【9日】サウンダック・ベリー(福岡、オールマン・ブラザーズ・バンド)▽ベラ・ドンナ(同、UFO)▽スフェリカル(同、スティーリー・ダン)▽フラジャイル(同、ポール・マッカートニー)▽ティッシュ(鹿児島、キッス)▽グラーフ・ツェッペリンⅡ

 ※かっこ内は活動拠点の県名と、カバー対象とするバンドやアーティスト名

 ツェッペリンの「天国への階段」、ヴァン・ヘイレンの「パナマ」、クラプトンの「いとしのレイラ」、ドゥービーの「ロング・トレイン・ランニン」―。2日間にわたり、世界的なヒットや名曲で知られる洋楽ロックの数々がステージでよみがえる。出演者たちは独自に研究を重ねてきた演奏技術を披露するだけでなく、ギターなどの使用楽器や衣装、ステージパフォーマンスに至るまで“ご本家”に迫る視覚的な演出も徹底。会場を埋めたファンはステージにくぎ付けになり、力強いビートと大音量のサウンド、なじみ深いメロディーに酔いしれた。

MCで生活感あふれる近況も

 「最近、双子の孫が生まれた」「メンバーが相次いで大病を患い、私は胃を全摘、彼は心臓バイパス手術を経験した」―。各バンドのメンバーはいずれも大半が中高年。演奏合間のMCではカバーするバンドの歴史や楽曲を詳しく解説して“ロック愛”を熱く語る一方、生活感あふれる近況報告で波瀾(はらん)万丈のドラマを紹介する場面もあった。

 中には「コープスペイント」と呼ばれる白塗り化粧と奇抜な衣装で悪魔を思わせる姿のまま、本番直前にコンビニエンスストアを訪れて店員に驚かれたという秘話を芝居交じりで紹介したバンドも。おやじ世代になっても旺盛な茶目っ気を振りまき、爆笑を誘った。

 “仕掛け人”としてイベントを企画する、グラーフ・ツェッペリンⅡのボーカルで会社員の田中健さん(57)=福岡県志免町=は「青春時代に抱いたロックヒーローへのあこがれは、年齢を重ねるうちに尊敬に変わり、カバー演奏はトリビュート(感謝)になる。こんな思いを共有できる元バンドマンを掘り起こし、音楽の街・福岡をさらに盛り上げたい」と話している。(木村貴之)

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