相手は評価者「泣き寝入り」も 実習先のセクハラに専門家が警鐘

西日本新聞 社会面 四宮 淳平

 「性的な関係を迫られた」「食事や飲みにしつこく誘われた」-。大学生が教育実習先でセクハラを受けたケースは、日本教育学会の最近の調査でも後を絶たない。相手はベテランの教師で評価者でもあるだけに、声を上げにくい構造があり、専門家は警鐘を鳴らしている。

 調査者の一人、川村学園女子大の内海崎貴子教授(人権教育)によると、学会は2015年、教育実習を終えた全国の学生、男女594人を対象に調査。21人(3・54%)がセクハラ被害に遭い、35人(5・89%)が見聞きしていた。内海崎教授らは01年から継続的に調査しており、各年の被害者は2~4%台、見聞きした人は4~7%台で推移している。

 主な被害内容は、性的なからかいや不必要な性的な話題、身だしなみや化粧への注意や批評など。以前は宴席などで絡まれるケースも目立ったが、15年調査では、被害の半数が1対1になりやすい指導教師との「回避が難しい状況」(内海崎教授)で発生していた。

 被害者の大半は我慢したり、受け流したりしており、学校や大学に相談した例はわずかだった。約6割は精神的苦痛を感じたほか、約4割は実習への意欲が落ち、約3割は実習をやめたいと思うなど深刻な影響が出ている。

 一方、大学側の対策は十分とは言いがたい。14年に一部の大学に調査した結果、実習先でのセクハラに気を付けるように学生に注意喚起していたのは、4割程度にとどまる。

 内海崎教授は「学校現場ではセクハラが指導と一体化する場合がある」と指摘。弱い立場の児童生徒に触れたり、怒号を浴びせたりする指導がいまだに残り、その延長で大学生にも似た指導を行う教師がいるといい、「無自覚にセクハラを容認する風土、文化がある。危うい環境で実習が行われていると全ての大学は知るべきだ」と話す。 (四宮淳平)

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