双子、三つ子の育児 佐賀県サポート 経験者による相談、家事ヘルパー派遣

西日本新聞 社会面 北島 剛

 佐賀県は2020年度から、双子や三つ子といった「多胎児」を育てる家庭を支援する事業を始める。産前産後の負担軽減のために家事を代行するヘルパーの派遣や多胎育児経験者(ピアサポーター)による相談支援事業などを行う。国も20年度から市区町村を実施主体に同様の事業を始めるが、佐賀県では県が主体的に取り組むのが特徴。多胎児の育児情報を掲載したサポートブックの配布など独自事業も展開する。

 県によると、県内では年間60組ほどの多胎児が誕生している。県内20市町のうち人口が少ない自治体では多胎児の数が少なく制度化が困難な可能性があり、支援事業を定着させるために県が取り組むことにした。

 20年度一般会計当初予算案では事業費1403万円を計上。多胎児の親同士をつなぐ交流会や育児講座、サポーター養成講座を開き、外出が難しい多胎家庭に積極的に出向く「アウトリーチ型の支援」を行う。

 多胎児を妊娠した母親は早産になりやすく、出産後も頻繁な授乳などで寝不足になりがちで、肉体的、精神的な負担が大きい。18年には愛知県豊田市で生後11カ月だった三つ子の母親が次男を床にたたきつけて死亡させる事件が発生。過酷な育児環境や虐待のリスクが浮き彫りとなった。

 佐賀県では昨年5月、医療機関と行政、子育てサークルが連携して多胎児の妊娠から出産、育児までを切れ目なく支援する「さが多胎ネット」が発足。自らも双子を育てた代表の中村由美子さん(54)は「多胎児の育児はお金がかかるので、行政の支援はありがたい」と県の事業を歓迎する。「サポーター数には地域の偏りがある。多胎育児支援で受けた恩を次の人に返す優しさの循環が各地に広がってほしい」と望む。

 山口祥義知事は12日の記者会見で「佐賀県は多胎家庭のサポートに全面的に乗り出していく」と宣言した。 (北島剛)

佐賀県の天気予報

PR

佐賀 アクセスランキング

PR

注目のテーマ