「若き薩摩の群像」に藩外2人を追加 鹿児島市が排他的イメージ排除

西日本新聞 社会面 上野 和重

 鹿児島市のJR鹿児島中央駅前にある幕末の薩摩藩英国使節団の記念碑「若き薩摩の群像」の17人に、使節団の一員ながら薩摩藩外出身との理由で除かれていた2人の像が新たに加わる。東京五輪などで集客が見込まれる中、市は「排他的との印象を与えないように、史実に即した形にしたい」として、整備費用7千万円を2020年度一般会計当初予算案に計上した。

 19人からなる使節団は1865年、国禁を犯して英国に渡った。帰国後、日本の近代化に貢献。初代文部大臣の森有礼、サッポロビール創始者の村橋久成、大阪商工会議所初代会頭の五代友厚らが名を連ねる。

 群像は1982年、市の50万都市達成記念として事業費約1億4千万円をかけて建立。同市の彫刻家で文化勲章受章者の中村晋也さん(93)が制作した。八角形の台座(高さ9・5メートル)に多様なポーズの17体のブロンズ像が並ぶ。長崎出身で通訳を務めた堀孝之と、土佐藩を脱藩後に薩摩藩士となった高見弥一の2人は含まれなかった。

 建立時の市議会で「19人でないのはなぜか」と問題になり、当時の市長は「純粋な薩摩藩士だけにした」と答弁していた。

 「2人を外すのはおかしい」との声はくすぶり、2007年には群像に2人の追加を求める有志の会が発足。11年の九州新幹線全線開通までの追加を求めたが、森博幸市長は「像は完成された美術品で難しい」との見解を示していた。

 森市長は12日の記者会見で、方針転換について「10月に鹿児島県で開かれる国体や東京五輪に伴い、多くの観光客が駅を訪れる中、鹿児島が排他的との思いを抱かせたくない。中村さんも心に引っ掛かっていて、意見が一致した」と語った。制作は中村さんに依頼する。碑文のレリーフや像の位置なども見直す方針で、国体までの完成を目指すという。 (上野和重)

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