東峰村長「鉄道」譲らず孤立 JR日田彦山線復旧

西日本新聞 総合面 横山 太郎

 2017年の九州豪雨で被災したJR日田彦山線の「鉄道復旧」で足並みをそろえてきた被災沿線3市町村のほころびが決定的になった。12日にあったJR九州と関係自治体によるトップ会議。バス高速輸送システム(BRT)案に事実上方針転換した大分県日田市と福岡県添田町に対し、同県東峰村の渋谷博昭村長は鉄道案が唯一の選択肢とすることにこだわり、孤立感を深めた格好となった。

 「鉄道は災害で失われたもの。JRが原形復旧すべきではないか」「東峰村としては、このシナリオ(BRT詳細案)は持って帰れない」。この日、JR九州は路線バス付近などへの専用停留所の設置などを盛り込んだBRT案の詳細案を初めて提示。不通長期化の懸念から2市町の首長が前向きに検討する意向を示す中、渋谷村長だけが突っぱねた。

 人口約2千人。県内で最も小さな村にとって、同線は「生活の足」となっている。昨年10月のJRを招いた住民説明会のアンケートでは参加者173人のうち98・1%が鉄道案を支持。バス案はわずか1・9%で、BRT案はゼロ。一定のBRT容認論があった添田町や日田市とは一線を画す。また、村の住民団体が取り組む鉄道復旧の署名活動は人口の7倍にあたる約1万4千筆が集まったという。こうした村の「意思」が、渋谷村長の主張を支えた。

 それに加え、災害を機に鉄道からの転換を持ち出すJRへの不信感も募らせてきた。渋谷村長は、今回の会議でJRが示す鉄道による復旧費約56億円に対し、約7割を削減した独自試算を示した上で、自治体に求める年1億6千万円の財政支援の内訳を示すようただした。

 だが会議では、豪雨発生から2年半が経過し、早く復興をとの意見が大勢となり、3月末までに次回会議を開き、結論を出す方針が決まった。

 終了後、記者団から「そろそろBRTにというプレッシャーは感じないか」と問われ、少し間を置いて答えた。「鉄道による復旧がなぜできないのか、住民が納得できる形で示してもらわなければ、東峰村としてBRTの考え方にいくわけにはいかない」 (横山太郎)

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