持続性重視でBRTにかじ JR日田彦山線復旧

西日本新聞 総合面 豊福 幸子

 九州豪雨による被災から2年7カ月。JR日田彦山線の復旧問題は12日、福岡県東峰村を除く地元自治体がバス高速輸送システム(BRT)案を軸とした調整に転換し、大きな節目を迎えた。財源がネックとなり、鉄道復旧の見通しが立たない中、「持続可能な公共交通は何か」を重視した結果と言える。

 2018年4月に始まった復旧会議は当初1年をめどにしていたが、鉄道復旧を求める自治体側と不採算路線への投資を抑えたいJR九州との議論はかみ合わず、延長戦に突入。JRが鉄道復旧に年1億6千万円の継続的な財政支援を要求し、自治体側は「難しい」とする構図が続いた。

 被災2年を過ぎた昨夏以降も、沿線自治体がJRを招いて開いた住民説明会では鉄道復旧を求める声が根強かった。一方、沿線自治体には復旧遅れに対する危機感も強く、「鉄道復旧しても、いずれ廃線になれば意味がない。持続性ある交通ネットワークの確保が重要だ」(福岡県幹部)と、昨秋、BRT案に向けた調整が水面下で動きだした。

 東峰村が反発する中、この日の会議では、JRが鉄道復旧で必要となる財政支援の根拠を詳細に開示した。JR民営化に伴い設けられ、路線維持の財源として指摘された経営安定基金については、使途が決まり、国の承認も得ていて使えないことを九州運輸局が説明。「鉄道復旧はハードルが高い」(広瀬勝貞大分県知事)との事実を積み上げ、BRT案の検討にかじを切った。

 福岡、大分両県知事は3月末までに復旧方針を決める考えを示しており、2月下旬からの定例県議会では主要議題になるとみられる。JRが示すBRT案は「まだ不十分」(小川洋福岡県知事)で、利便性向上や地域振興策になお課題は残る。3月末の次回会議までに、東峰村も含めた合意を得られる復旧案をまとめられるか。自治体、JR双方に丁寧な取り組みが求められる。 (豊福幸子)

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