地域を守る人材育てる 厳しい訓練受け現場へ 福岡県警察学校を取材

西日本新聞 こども面

 事故や犯罪などから地域の人々を守る警察官。現場で役立つための新人教育を行う場所が、各都道府県に置かれている警察学校です。福岡県警察学校(福岡市中央区)をこども記者が訪れ、厳しい訓練に汗を流す学生と教官の皆さんを取材しました。

【紙面PDF】きょうのテーマ=地域を守る人材を育てる

 警察学校に行くと教官の鬼塚修一さんが出迎えてくれた。どんな授業があるのだろう。(1)刑法など仕事に必要な法律を学ぶ(2)逮捕術、柔道、剣道、射撃の訓練(3)飲酒運転の検査のやり方-などや「職務倫理という警察官として守るべき道徳を学ぶ授業も大切です」と教えてくれた。

 全寮制で現在約200人の学生が朝6時半起床、夜11時消灯という規則正しい生活の中で、授業や訓練をがんばっている。校内を歩くとあちこちに学生が考えた「悪に立ち向かう勇気はあるか」など標語がはってあった。徳永記者は「移動中でも警察官の心構えを意識できる。これも訓練の一つだ」と気づいた。

  ■指紋採取を体験

 犯罪捜査で指紋などを科学的に調べる「鑑識」の授業を体験させてもらった。教官の宗田賢悟さんが「指紋は一人として同じ物がなく一生変わることもない。犯人を特定する重要な証拠になります」と教えてくれた。

 私たちはマスクと手袋を着けて、教材の瓶に懐中電灯の光を当て、どこに指紋が付いているかを確認した。次にポンポンの先にアルミの粉を少しつけ、指紋を軽くたたく。光を当てると粉が付いた指紋がくっきりと浮かんだ。透明なテープを指紋の上にはり、はがすときれいに採取できた。

 宗田さんは「自分の仕事が事件解決につながることが鑑識のやりがいです」と話した。警察官志望の西田記者は「自分も鑑識になれた気がしてうれしかった。早くこの学校に通いたい」と思った。

  ■正義感にあふれ

 柔道場に入るとたくましい体つきの学生たちが練習に汗を流していた。池上記者は「この人たちなら僕らの住んでいる街の平和を保ってくれる」と思った。剣道場では竹刀を持たされ、打ち込みの練習をした。光安記者は「警察官になってみんなを守る仕事は大変だ。私も人の役に立てる仕事をしたい」と感じた。

 広い校庭に出ると学生たちが暴動やテロに備えた「警備実施訓練」を行っていた。ヘルメットと防具を身に着け、教官の指示で一斉に大盾を構えたかと思うと、整然と走りだす姿に驚いた。教官の山田清敏さんは「一人一人の気力を部隊としてまとめて発揮できるようにチームワークを高める訓練です」と話した。重さ約7キロの大楯を持たせてもらった浦川記者は「これを持って走るのはとてもきついだろう。私もあきらめない気持ちを学びたい」と感じた。

 取材を終えた田中記者は校内にあった「県民を守れる強さはあるか」という標語が心に残った。「そんな気持ちを持った正義感あふれる警察官がいるだけで僕たちは安心できる」と心強く思った。

 ▼警察官になるには 各都道府県警察の採用試験に合格することが必要です。福岡県では試験を受ける機会は年に2回あり、内容は一般的な警察官の場合、筆記(教養・論文)、体力測定、面接、身体検査などがあります。警察学校では10カ月(短大、高卒など)または6カ月(大卒)の授業を受けます。卒業すると、地域部門の交番に勤務して現場を知り、その後、本人の適性や希望で、交通や刑事など他部門に配置される場合があります。

●「なによりも優しい警察官に」 教官に聞く

 教官の鬼塚修一さん、藤本美怜さん、井上至さんに質問した。「警察官にとって大切なことは」という松崎記者の質問に鬼塚さんは「正しく、強く、温かい心」と答えた。「正しいことができなければ世の中の信頼を失う。強くなければ犯人を逮捕できない。そして被害者に寄り添う温かい心が大事です」と力を込めた。

 山口記者は「これからの時代、どんな警察官が求められていますか」と質問。藤本さんは「インターネットを悪用したサイバー犯罪による被害者が増えています」と話し、「時代の変化に対応できる柔らかい考えを持つ警察官が必要。私たちも新しい犯罪に備えた対応を常に考えています」と答えてくれた。

 「教官として大事にしていること」を弥登記者が聞くと井上さんは「学生は大切な後輩。現場に出て困らないように自分の経験をしっかり伝えたいですね」と話した。「強い正義感、使命感、一歩前に出る積極性を持ち、なによりも地域の人に優しい警察官になってほしい」。教官たちの笑顔に早野記者は「強く温かい警察官になってという教官の思いが卒業生に伝わってほしい」と願った。

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