子どもだけでなく大人も夢中に!楽しみながら知力が身につくスゴイ教養本

西日本新聞

 人間にとって、教養はなぜ必要なのだろう。それは、世の中には正解のない問題や、善悪の見分けがつかないことがたくさん存在しているからではないだろうか。だから、どんな時にも自分の持つ知識と照らし合わせながら、物事を正しく認識し理解できる思考力が必要。そんな人こそが真の教養人といえるのだろう。

 本書は、小学生向けに教養を養うための本である。著者は言語や読書などに関する著作で幅広く知られる、まさに教養のある知識人、齋藤孝氏。明治大学の教授で、専門は教育学だ。

 本書の1日1ページで366日分という様式は、近年ベストセラーになった本の子ども版といったところだろう。小学生のうちに知っておきたい人や物事についての解説が、毎日2分程度で楽しく読めるようになっている。

 子どもの好きなクイズや音読を交えながら、ちょっとしたおまけの知識もプラスされており全く飽きさせない。1週間分が、「日本文学神7」や「世界おもしろナンバー1」などひとつのテーマで構成され、点の知識が線となってつながるように工夫もされている。ジャンルは言葉・文学・世界・歴史・文化・芸術・自然と科学、の7つ。毎週異なったジャンルから、幅広くテーマが設定されていているため、包括的な知識の定着に役立つようになっているところが、とてもよく考えられていると思う。

 しかも、毎日の項目は西行に、ダークマター、フレディ・マーキューリーなどと多岐にわたり、その解説は意外に深い。大人が読んでも面白く、すんなり頭に入ってくる。知識のおさらいだけでなく、改めて知ることも多いかもしれない。これぐらいは常識として知っておかないと、現代の小学生に太刀打ちできないということが分かるだけでも興味深い。

 本書の終わり、366日目の後に、著者から子どもへの表彰状がある。その中に、「読んだ 知識は 血となり 肉となって あなたが 何かを 考える ときの 道しるべに なる ことでしょう」と書かれている。その通り、子どもの可能性の選択肢はできるだけ幅広い方が良い。最初は楽しく眺めているだけでも、そのうち何かに興味を持って、自分で深く探求していくかもしれない。そうすれば考える力がいっそう身につき、いずれ真の教養をもつ人になるだろう。本書は、そのための入り口となってくれるような頼もしい1冊なのだ。

 

出版社:小学館
書名:小学生なら知っておきたい教養366
著者名:斎藤 孝
定価(税込):1,980円
税別価格:1,800円
リンク先:https://www.shogakukan.co.jp/books/09227210

西日本新聞 読書案内編集部

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