リーダーシップは誰でも身に付く!働き方が変化している今必要なスキル

西日本新聞

 2019年、日本で盛り上がったものの代表がラグビーのW杯だろう。あそこまで人気が高まった背景には、もともと弱かったチームが強くなったという日本人好みのストーリーの存在があったはず。4年前、英国メディアが「スポーツ史上最大の番狂わせ」と報じた南アフリカ戦での勝利がなければ、今年の日本代表ベスト8という大躍進もなかった。

 こうした勝てるチーム作りを行った陰の立役者が本書の著者だ。あの五郎丸ポーズを本人といっしょに生み出したメンタルコーチとして知られ、その後、著書を出版してからはビジネス方面でも引っ張りだこの存在となった。今回は、よりビジネスパーソン向けに、特に30代40代のリーダー層へ向けたマインドセットのノウハウを披露している。

 以前の著書で、心は鍛えられると断言した著者は本書において、「リーダーシップはスキルであり、鍛えることができる」と述べている。しかも、誰でも身に付けることができると。現在、園田学園女子大学の教授でもある著者は大学での研究や実践の成果を実用的なスキルの形にまとめ上げている。

「フォロワーがリーダーの想定外の結果を達成することが、真のリーダーシップの価値だ」
 という考えのもと、前半はラグビー日本代表での実例、後半は職場で「長」と肩書の付く人の実例を織り交ぜながら解説してあるので、分かりやすい。

職場でも応用しやすいと思われるのが、デュアル(2拠点)リーダーシップという考え方。選手の入れ替わりが激しい日本代表では、チームとしてのまとまりを作るため、コーチングスタッフだけでなく、選手間でのリーダーシップを重視した。具体的には、選手数名のリーダーグループを組み、彼らにリーダーシップをつけさせるため、4年間のロードマップを決めた。その中で、チーム全体の6つの課題を解決していった。

組織のパフォーマンスを向上させるには、個々のスキルに期待してはいけない。リーダーシップによって、フォロワーの能力を発揮させる。こうした発想の転換が大事だということが、本書を読むととてもよくわかる。

 

出版社:講談社
書名:リーダーシップを鍛える ラグビー日本代表「躍進」の原動力
著者名:荒木香織
定価(税込):1,430円
税別価格:1,300円
リンク先:http://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000325003

 西日本新聞 読書案内編集部

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