消えゆく古里をドローンで記録 浪江町津島の住民、野田監督が協力 (2ページ目)

西日本新聞 吉田 昭一郎

 百年後の子孫のために

 野田さんと同会メンバーは、住民の土地勘とゼンリン地図を頼りに、時にはやぶをかき分けながら撮影を重ね、昨年暮れまでに公共施設も含め計約520カ所の映像を撮り終えた。

 空撮映像とともに住人のインタビューや荒れた室内も撮影。震災直前に亡くなった人の追善法要の祭壇を残し家人が避難した当時のままの屋内も撮った。伝統芸能・田植え踊りや古老の伝承歌、獅子舞の笛の音も収録した。

 自宅の空撮映像を見て、「これで(気持ちの整理がついて自宅を)壊すことができる」と、万感の思いから涙を流す人もいたという。野田さんは「地上から家の位置を探り、ドローンを操作するのは大変だった。それぞれの家にはそれぞれの歴史や物語がある。インタビューでは事故前の暮らし、津島での楽しかった思い出、避難状況などを語ってもらった」と話す。

 佐々木会長は「百年後の子孫のために、ふるさとの『記憶遺産』として空撮映像を残したかった。原発事故で山村が消えていく現実を広く伝えたい気持ちもある」と語った。(吉田昭一郎)

 ◆クラウドファンディングで製作費を募集 空撮映像作品は今年6月にDVDとして完成予定。現在、クラウドファンディングで製作費を募集中。「津島 ドローン」と検索し特設サイトから申し込む。

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