「キティ」で目指せ観光振興 北九州市、アプリやラッピングバス運行

西日本新聞 北九州版 岩佐 遼介

 北九州市が本年度から、サンリオの人気キャラクター「ハローキティ」を使った観光に力を入れている。専用アプリの配信やラッピングバスを運行。2017年末に「スペースワールド」(八幡東区)が閉園し、観光の核の一つを失った同市は観光客数が近年減少を続ける中、国内外で知名度の高いハローキティにあやかり、V字回復を狙っている。

■限定写真に満足

 1月中旬、仕事帰りに小倉城に立ち寄った小倉北区の20代会社員男性は、天守にスマートフォンを向けていた。和服を着たハローキティが画面に現れるとパシャリ。「限定ハローキティの写真は貴重だ」と満足げな表情を浮かべた。

 男性が利用したのは、スマホのアプリ「たびフォトin北九州市」。同市が昨年10月から配信を開始した。市内の観光名所でカメラを構えると、小倉織の和服を着たり市花のひまわりを付けたり、その場でしか登場しない限定デザインのハローキティと記念撮影ができる仕組みだ。平尾台(小倉南区)や皿倉山(八幡東区)など市内27カ所の観光地で利用できる。

 また市は今年1月、ハローキティのラッピングバスで門司港などを回るバスツアーを3回開催。各回の定員は28人で、平均して84%の利用率だった。

 市の担当者は、会員制交流サイト(SNS)に投稿した北九州の観光地の写真が拡散することに期待。「アプリを使って、市内の観光地をはしごしてほしい」と話している。

■宿泊者割合低く

 北九州市観光動態調査によると、15年の観光客数は延べ約2571万人だったが、18年には延べ約2319万人と約1割減少。全国的にはインバウンド効果で観光客数が大きく伸びる中、同市の苦戦が浮き彫りとなっている。

 14年に策定した市観光振興プランでは、19年の観光客数の目標を延べ2460万人としていたが、達成は難しいのが現状だ。

 JR小倉駅前と市内の主な観光施設を結んで循環する西鉄バス北九州の「小倉ループバス」は、訪日韓国人の減少に伴い、開始からわずか約1年の昨年12月20日で運行休止になっている。

 さらに18年の宿泊者の割合が、観光客の実数約1030万人(延べ数を補正)の約18%と低いことも大きな課題だ。同市とともに「日本新三大夜景都市」に選ばれた長崎市(約37%)、札幌市(約51%)とは大きな差をつけられた。北九州市の担当者は「北九州を訪れてくれた観光客も、宿泊となると大分県別府市や福岡市に流れる傾向がある」と肩を落とす。

■11自治体が契約

 逆風の中、北九州市がハローキティに目を付けたのは、サンリオが15年から自治体とのキャラクターの使用契約を結び始め、集客に結びついているからだ。

 サンリオのテーマパークがある大分県日出町はJRの駅舎をキャラクターがデザインされた仕様にリニューアル。東京都では、ハローキティが福祉の魅力を発信するアンバサダーとしてイベントに出演するなどしている。

 サンリオによると、これまでに全国で11の自治体と使用契約を締結。北九州市は昨年7月、月額約100万円で契約した。アプリ配信開始から約3カ月でダウンロード数は約1500と順調な滑り出しをみせている。ハローキティは、北九州空港と直航便でつながる台湾でも人気で、ファンの来訪に期待を寄せる。

 ハローキティの使用契約は3月末までだったが、市は契約を更新し、来年度以降も観光振興の重要なコンテンツとしてアピールしていく構えだ。 (岩佐遼介)

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