英国のEU離脱を巡り…

西日本新聞 ふくおか都市圏版 大坪 拓也

 英国のEU離脱を巡り、学生時代の2005年に東欧を一人旅した際、ルーマニアで出会った父子を思い出した。路線バスで隣り合った12歳の少年と仲良くなり自宅のアパートに招かれ、父親が歓待してくれた▼拙い英語で身の上話に花を咲かせたが、母親のことに及ぶと2人の顔が曇った。1200キロ離れたドイツに出稼ぎ中で、なかなか会えないという。それでも「いつかトヨタに乗る」「日本のアニメをもっと見たい」と語る姿に、2年後のEU加盟を控え成長していた同国の明るい未来を予感させた▼あれから15年。ルーマニアはEU最貧国の一つで人口流出が続く。欧州の足並みは乱れ、ともに豊かになる理想は色あせる。「分断」「格差」…。新聞には国際情勢を伝える見出しが躍る。あの家族は元気だろうか。 (大坪拓也)

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