NHK・BSで放送中の韓国歴史ドラマ「ヘチ 王座への道」は…

西日本新聞 オピニオン面

 NHK・BSで放送中の韓国歴史ドラマ「ヘチ 王座への道」は、官吏の不正を摘発する役所「司憲府(サホンブ)」が舞台。現代の検察に当たろうか。「ヘチ」は善悪を裁く伝説の生き物。司憲府には法と正義の番人の象徴として獅子のようなヘチの像が置かれている

▼だが政治から独立しているはずのこの役所でも幹部は権力者と癒着。人事を握る朝廷高官は配下を司憲府のトップに送り込んで不正をもみ消したり、捜査権を私的に利用したり。世を正そうと王子と仲間が改革に立ち上がる…

▼現代韓国の大統領府と検察の闘いを戯画化したような内容だが、日本でも「捜査機関の独立性を脅かす政治介入の疑いがある」との批判。安倍晋三政権が行った前代未聞の人事だ。東京高検の黒川弘務検事長の定年を8月まで半年間延長した

▼国家公務員法の特別法である検察庁法は検察官の定年を検事総長65歳、検事長らは63歳と定める。黒川氏は首相官邸に近いとされ、稲田伸夫検事総長の後任に充てるために“禁じ手”を使ったと指摘される

▼検察庁法に定年延長の規定がないので国家公務員法に基づいて延長した-という言い分は強引に過ぎる。特別法の趣旨をねじ曲げたと非難されても仕方あるまい

日銀総裁やNHK会長など、官邸の意向に沿ったような人事は政治家の不正に目を光らせる検察にも。巨悪は眠らせないはずの「ヘチ」が「ポチ」になっては世も末だ。

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