世界に1台だけのバスも…佐賀の“再生工場”のぞいてみた

西日本新聞 布谷 真基

ルーツは戦闘機も製造した航空機メーカー

 九州だけでなく全国各地から修理や改造のためバスが集まる“再生工場”が佐賀県基山町にある。西日本鉄道(福岡市)のグループ会社「西鉄車体技術」の本社工場には、サファリパークの「ジャングルバス」や2台分がつながった定員130人の「連節バス」など多種多様な車両を一堂に見ることができる。

 普段は一般向けの工場見学は受け入れていないが、2月14日に報道機関向けの見学会があった。西鉄車体技術は1943年に設立され、太平洋戦争末期に日本海軍の試作戦闘機「震電」を製造した九州飛行機が源流という。バスの新車を造っていた会社など3社を統合して現在に至る。

 まず目に入ったのは長崎県交通局(長崎市)や南国交通(鹿児島市)など、西鉄グループではないバス会社の車両。古くなった車体のメンテナンスをしたり、他の地域で活躍していた中古バスを自社仕様にリニューアルしたりするため、西鉄車体技術が培ったノウハウが求められるという。

 JR九州の豪華寝台列車「ななつ星in九州」の乗客を運ぶ専用バスや、佐世保観光コンベンション協会(長崎県佐世保市)の観光バス「海風」などを請け負った実績があり、オーダーメードで世界に1台だけの車両を製造できる。

 工場の奥には、西鉄がドイツから輸入した新車の連節バスが4台並んでいた。来年度の北九州市内での増車を控え、日本国内の公道を走行できるよう自前での改造作業の真っ最中だった。外側のボディーはまだ真っ白で、車内にはクッションが取り付けられる前の椅子があった。

 サファリパークで使われるバスもあった。窓を防護する金網は猛獣たちが触れるためへこみ、車体の塗装もはげていた。案内してくれた生産管理課の木佐貫浩志課長は「過酷な環境にも耐えられるようリニューアルしている」と胸を張る。こうした特殊なバスは得意分野という。

 人口減などで業績が振るわない路線バス事業者もあり、古くなった車両を長くメンテナンスしたり、中古車を改造したりする需要も高まっているという。西鉄車体技術の下津俊幸社長は「バスの修理・改造業者も減っていて最近は北海道や関東からも依頼がある」と話す。(布谷真基)

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