オリンピック記録映画を復元 福岡市在住のエイドリアン・ウッドさん

西日本新聞 総合面 藤村 玲子

福岡市総合図書館で21作品上映

 スポーツの祭典、オリンピック。エイドリアン・ウッドさん(64)は、その記録映画を復元する国際オリンピック委員会(IOC)のプロジェクトを統括した。四半世紀にわたり携わった約100作品のうち21作品が福岡市総合図書館で3月1日まで上映されている。

 英国生まれ。同国の民放テレビ局でドキュメンタリー制作などに従事後、フリーランスに。1996年にIOCから依頼を受け、オリンピック映画の復元を始めた。

 手掛けたのは、最古の記録映画とされる金栗四三(かなくり・しそう)ら日本選手団が初参加した12年ストックホルム大会など。30年、オリンピック憲章の改正で記録映画の製作は義務化されたが保存状態はさまざまだった。48年ロンドン大会は英国映画協会のフィルムにかびが発生。一方で、ストックホルム大会の映像は鮮明だった。制作会社や個人コレクターを訪ね、フィルムを探し当てたことも。当時の選手の躍動がよみがえるたびに「苦労が報われた」と実感できた。

 「撮影技法や大会運営も時代によって進化していた。観客の服装から当時の文化もしのばれる」。4年に1度、各国で開かれる祭典に焦点を絞った復元に携わったことで、歴史を保存する意義と魅力を味わうことができたという。

 妻は日本人。60歳を過ぎて「献身的に尽くしてくれた妻の生まれた国に住んでみたい」と、選んだのは旅の乗り継ぎで訪れていた福岡市。人が温かく食べ物がおいしいことに加え、「国際映画祭を続けるなど映画への情熱も決め手になった」。2017年に夫婦で移住し、現在はIOCのコンサルタントを務める。(藤村玲子)

福岡県の天気予報

PR

福岡 アクセスランキング

PR

注目のテーマ