「注文をまちがえる料理店」知って 認知症の人が接客…福岡市支援へ

西日本新聞 一面 坂本 公司

優しい気持ちで「寛容な社会」

 福岡市は2020年度、認知症の人たちが接客する飲食店の開設支援に乗り出す。こうした店は「注文をまちがえる料理店」の愛称で近年、東京など各地で期間を限定して相次ぎオープン。認知症への理解を深め、注文を取り違えても優しい気持ちで当事者を受け入れる「寛容な社会」を目指す取り組みとして注目されている。市は週1回~月1回など時間帯を決めて定期的に開けるよう、店や担い手をサポートする。

 19年にあった市主催の介護啓発イベントでは、認知症の人がスタッフを務める店が開店。生き生きと働く店員と大勢の客が交流し、トラブルもなかった。

 市はこの結果を踏まえ、「適切なサポートがあれば認知症でもその人らしく働けることを市民に見える形で知らせられる」と判断。営業面でも運営は可能とみており、20年度内に最低1店舗での「定期開催化」を目指す。

 「注文をまちがえる料理店」は3年ほど前に都内で始まり、各地に広まった。働く人にとっては客に喜ばれることがやりがいにつながり、在宅介護をする家族も休養できるメリットがあるという。

 市は14日発表した20年度当初予算案に事業費200万円を計上。飲食店に事業への協力を呼び掛けるほか、当事者や介護従事者に参加を募り、働く人と店をつなぐ。

 物忘れなどが起き、日常生活に支障が生じる認知症は高齢化に伴い年々増加。国は25年に、65歳以上の5人に1人に当たる約700万人に達すると推計する。発症した人が希望を持って生活できる社会の構築が急務となっている。(坂本公司)

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