「いよいよ来たな」本番前に総稽古 「ノートルダムの鐘」福岡公演  (2ページ目)

西日本新聞 もっと九州面 山上 武雄

◆九州初上演「いよいよ来たな」 カジモド役・田中さん

 稽古を終えた田中彰孝さんが福岡公演に向けて抱負を語った。地元での舞台での出演も有力視されている田中さん。ノートルダムの鐘の九州初公演について「絶対、いつかは福岡と思っていた。いよいよ来たなと」と心躍らせる。キャナルシティ劇場(当時福岡シティ劇場)で、福岡県直方市の中学時代に「オペラ座の怪人」に衝撃を受け、舞台への憧れを抱いた田中さんにとって思い入れがある。1月まで同劇場であった「ライオンキング」の主人公シンバ役を演じた。今度は全く違う物語だが、「いい意味でお客さんを驚かすことができる。楽しみにしてください」と自信を見せた。

◆装置にハイテク、衣装にこだわり

 「ノートルダムの鐘」は、舞台装置や衣装などにも工夫が凝らされている。1月に行われた京都公演の舞台裏をのぞいてみた。

 舞台にはタイトル通り、大小七つの鐘が登場する。主人公カジモドが突き、パリの町中に時間を知らせる。この鐘、鉄ではなく、非常に軽い素材に表面をコーティングしてある。カジモドがロープを引っ張り、鐘が傾くと中にあるセンサーが反応し、音が鳴る仕組みだ。ステンドグラスはLEDを使った。「ハイテクの技術も混じっています」と舞台監督の真継史香さん。

 一方で、原作への敬意も忘れない。舞台には、白黒の市松模様の床板が敷かれている。これはノートルダム大聖堂の床と同じ模様だ。そしてギリシャ語で運命を意味するAnankē(アナンケ)と刻まれている。この文字が大聖堂に記されていたのをユゴーが見て、作品のモチーフにしたとされている。観客席からは見えないが、こうしたこだわりがスタッフの作品への思いを代弁している。

 衣装もそう。踊り子であるエスメラルダの民族服は絹製。くすんだ色を配している。エスメラルダの華やかな踊りとは、対照的な自らの境遇、そしてたどる運命を指し示すような色使いとなっている。エスメラルダの早着替えもあり、衣装担当の稲岡聡莉さんは舞台裏で待機し、わずか30秒で服を着替えさせる。「失敗したことはない」とプロ意識をにじませる。(山上武雄)

 ◆劇団四季「ノートルダムの鐘」 17日(月)~6月14日(日)、福岡市博多区住吉のキャナルシティ劇場。西日本新聞社など主催。全席指定。S席1万1000円、A席8800円、B席6600円、C席3300円。現在、5月6日(水・休)公演分まで販売中。劇団四季予約センター=(0570)077489。

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